投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

32分の永遠
【痴漢/痴女 官能小説】

32分の永遠の最初へ 32分の永遠 2 32分の永遠 4 32分の永遠の最後へ

32分の永遠-3

「気持ちイイの?」
 奈々緒はさっきより激しく首を横に振る。
「そう。残念…」
 するとその小さな物体は振動をピタリと止めた。止められると反対にその場所が、ヒクついているのが奈々緒自身にも判った。
 何かが見えそうな気がしたのに、現実に無理矢理戻されたような。あれは何だったのだろうか。
 今はただ、その場所が熱いと感じた。
「今日はおしまい。これはプレゼント」
 ローターが抜き出され、男によって鞄の中に無造作に放り込まれると、背後から男の気配が遠のいた。
 もう開放されたと言う安堵感に浸ってもいいはずだった。
 だが、行き場の無くなった熱が、奈々緒のクリトリス一箇所に集まってきているようで、今までに感じた事の無い思いが湧く。
 何かが欠けていていているような。
 …違う。嘘だ。今、自由になったではないか。
 奈々緒の否定するその思いとは裏腹に、下腹部あたりから熱を伴った何かが、不安感と共にショーツを不快に湿らせて行った。
 何とか改札を抜け出て、奈々緒は通学路を歩く。
 丁度梅雨に入ったばかりで、空には重厚な雲が広がりぽつぽつと雨粒が降ってきていた。酷く降ってはいないものの、奈々緒は傘を差す気にもなれず、やけに重く感じる身体と心を引き摺りながら、学校へと向かった。
 普段なら数分の距離が、今は永遠に続きそうな感じすらする。
 水分を含み、顔に張り付く髪と、纏わり付く制服が、一層奈々緒に重く圧し掛かる様だった。
 そんな時だった。
「雨なのに、傘も差さないで何処に行くの?」
 傘を差し出され、背後から声がした。
 あの男だ。
 此処は電車の中じゃないのに…。
 奈々緒は恐怖で全身が震え総毛立つ。様子を伺うように横目でその姿を見ようとしたが、傘が邪魔をして男の顔は判らなかった。
「そんなに僕の事が知りたい?」
 傘に当たる雨粒の音と、その男の声だけが、やけに奈々緒の脳裏に響く。首を横に振るのがやっとだった。
「遠慮しないでいいのに」
 ふわりとアスファルトの上に落ちていく傘。ゆっくりと、まるでスローモーションの様に。
 その後、突然の様に視界は遮断された。
 頭部に巻かれる布の感触で奈々緒は目隠しされたのだと気付く。
「…ぃやっ」
 視界を遮る布を取ろうともがくも、突如鈍い痛みが奈々緒の鳩尾に走る。
「…ぅ…」
 声にならない呻き声が上がり、男に身体を預ける形になった。その隙に奈々緒がしていた制服のリボンタイを抜き取られ、その両の手首を後ろ手に1つに戒められる。
「あんまり暴れないで。乱暴は好きじゃないんだ」
 奈々緒の細い身体が軽々と男に抱き上げられて宙に浮く。そのまま、男はその場を後にする。向かった先は、すぐ傍の雑居ビル。
 思うように動かない思考回路で、奈々緒は考える。視界を遮られていても、歩調や音の反響で、その場がどこかの階段だと判った。
「放して…下さい…」
「単なる、雨宿りだよ」
 そう言うと、男はゆっくりと奈々緒を踊り場に下ろした。丁度、壁に寄りかかる格好で座らされる。
 奈々緒はスカートの乱れを直そうとしても、手が使えない今は余計に捲れ上がるだけで、無駄な行為だった。
「恥ずかしがらなくてもいいのに」
 折角だから記念撮影。と言って、パシャパシャと電子音が数回、誰も居ないであろう階段に響いた。
「イヤっ!!」
「綺麗に撮れたからネットに流してもいいんだよ?…パンティのシミもハッキリ映ってるしね」
 そう嘲笑気味に言われて、奈々緒は電車の中での行為を思い出し、顔が高潮していくのが判った。身体が強張る。
「それに、僕の事も教えてあげるよ。…色々と、ね?」
 解放は当分無理だと、奈々緒は小さな望みを捨てる。視界が遮断された世界で、雨音は先ほどよりも強くなり、外の雑踏がやけに遠く聞こえた。
 奈々緒のブラウスがたくし上げられ、ブラジャーも上へとずらされる。 少し捲れ上がったスカートの中へは、男の手がそろそろと入り込んでいった。
 見えない事で他の感覚が敏感になっているのか、絡み付く男の視線と、太腿をなぞる手の触覚が鮮明な物になる。
今まで男性経験はおろか、裸すら見せた事のない奈々緒にとって、肌に触れる外気が羞恥心と嫌悪感を一層掻き立てる。
 胸の先端にある突起を、唇で啄ばまれると奈々緒は身を捩らせた。
「…っく、ん…」
 見知らぬ男に弄ばれている事対する屈辱感と、その気持ちを無視して反応してしまう奈々緒の躯。自然に上がる声は、下唇を噛んで無理矢理押し殺した。
「電車の中じゃないんだから、我慢しなくてもいいんだよ」
 そう言って、男は今まで太腿を這わせていた手を奈々緒の足の付け根へと移動させた。ショーツの上から割れ目をなぞられると、今までよりも遥かに濡れているのが奈々緒自身にも判った。


32分の永遠の最初へ 32分の永遠 2 32分の永遠 4 32分の永遠の最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前