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聖職
【学園物 官能小説】

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聖職2〜堕落〜-4

小川の使命は全て終わった。
ひなたは無言のまま衣類を身に付け、髪の乱れを直していた。
「もういいわ。ひなた。早く行かなきゃ、無遅刻無欠席の優等生が台無しよ。」
里奈はそう言って、ひなたに鞄を手渡した。
ひなたは無言のまま受け取り、小川とも里奈とも目を合わせることなくおぼつかない足取りでトイレを出ていった。
静まり返った個室に里奈と小川だけが残された。床のタイルに残された血と精子にまみれたトイレットペーパーを除けば、いつもの朝の駅の寂れたトイレと何処も変わらない。
「あたしたちも行きましょう。先生。」
背を向けて歩きだした里奈に小川も続く。
「どうして松本にこんなひどいことを。」
小川はメールを受け取った時から感じていた疑問をぶつけた。
「ひどいことしたのは先生じゃない。自分かわいさに生徒を犠牲にしたくせに。嫌なら断れば良かったんだわ。」
里奈の最もな答えにに小川は傷ついた。それでも質問を続ける。
「…だったけど、どうして松本なんだ…。」
「他の子ならよかったのね。あたしは抱いた癖にひなたは駄目って言うのね。」
早足で歩きながらも、里奈はたんたんと小川を責めたてる。
「そうじゃなくて…」
「うるさいわ。」
里奈が立ち止まって小川をにらみ付けた。その迫力に思わずわずかに後ずさりしてしまう。
「あんたはあたしの言うことを黙って聞いてたらいいのよ。…忘れないで。あたしが弱みを握ってるって事。先生はあたしの奴隷なんだから。」
里奈の言葉に改めて自分の立場を認識させられ小川は言葉を失った。
「それからね…先生。真面目に教師やるのも結構だけど、もっと生徒の想いに気付くことね。そんな鈍感じゃ、いつまでももてないわよ?」
里奈はそれだけ言うと、さっさと歩いて改札を抜けて行ってしまった。
小川は里奈の言葉が全く理解できずに、遠ざかる後ろ姿を呆然と見つめていた。
改札の向こうにのぞく景色は、東からのまぶしい光に照らされて輝いていた。短い朝を急ぐ人々に取り残されないよう、小川も歩きはじめる。
いつも通りの一日を始めるために。

-end-


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