淫靡女教師猥雑肉欲妄想絵巻-7
(そして教頭はあたしを、腕ほどもあるディルドゥ(媚薬塗りたて)を天に向かって生やした木馬で責める。『ククッ、お前の高慢ぶった仮面を剥がして、惨めなメス豚に貶めてやるわい』とバラ鞭を振るい、『ああっ! お許しを』と髪を振り乱し、子宮口に達するディルドゥと媚薬の効果で動けないあたしの身体に、幾筋もの鞭跡が刻まれる。
『お慈悲をっ! ああっ、このメス豚に何とぞお慈悲をっ!』『ふん、まだ豚に成り切れないのか。貴様にはこの、あまりにも残虐だとオランダのSM雑誌が訴えられた、釣り針で作ったノーズフックを付けてやろう』痛みと羞恥に身体を震わせるあたし。『あぎゃひぃっ! わたくしは豚ですっ! 豚になりますっ!』『豚は豚らしく鳴くがいい。ほれ、このままでは鼻が裂けるぞ』『おおぁっ! ぶ、ぶひ、ぶひぃぃっ!』あたしの性器がぷちぷちと音を立てて裂け、幾筋もの血が木馬の背を濡らす。
『それ、お前に一生消えない奴隷の証しを刻んでやるぞ』と、教頭は真っ赤に熾った炎の中から焼き印を取り上げ、木馬をガタガタと揺らして逃げようとするあたしのお尻が、ジュっと煙を上げるのにも構わず熱い焼き印をぐいぐいと押し付け、『ぎゃあぁっ! お助け下さいましぃっ!』と叫びながら失禁するあたしを見て、『哀れな肉人形めが、お前は一生ワシの玩具じゃよ』と哄笑しながら、祝杯を挙げるに違いない)
その妄想がいたく気に入った桃子は、トイレの便座を上げ、普段とは逆の向きで、直接冷たい便器に跨った。汗ばんだ肌に、陶器がきゅっ、と鳴く。
頭の中で、白い便器は「ソドムの市」の木馬へと生まれ変わる。
背中を反らせ、ストッキングをちぎれるほどに噛み、乳首に爪跡をつける。
パンプスを脱ぎ、素足で冷たいトイレの床のタイルを踏みしめ、中腰で立つ。
焼き印の代わりに左手の爪を五本すべて動員し、尻の肉を掴み、握り締める。右手は肉芽を熱くなるほどにこすり、二本の指で、泡立つまで膣口を掻き回した。
「うぁ、うぉあ…っ」
ストッキングで遮られた喉から、獣のようなうめきを漏らし、桃子は、今まさに絶頂を迎えようとした。
(あっ)
中腰で立つ桃子の右足が、つるん、とタイルで滑った。
手を着こうにも、片手は股間に差し込まれ、もう一方は尻に食い込んでいた。
『大』『小』。
目の前に、洗浄レバーが迫る。
「あが」
窓の外は、すっかり暗くなっていた。ストッキングがないと、少し寒い。
職員室の机で、桃子は二年生のテストの採点をしていた。
左の頬骨の下に、濡らしたタオルを当てながら。
赤く腫れてはいるが、冷やせば何とかなるだろう。それよりも差し歯がぐらぐらしているのが気になった。
職員室のドアがノックされた。
「ほうろー」
どうぞ、と言ったつもりだったのだが。
「失礼します。部室の鍵を返しに来ました」
入って来たのは野球部のマネージャーであり、桃子の教え子、花園早苗だった。
「どうしたんですか?」
タオルを頬に押しつけ、口を開けたままの桃子に、好奇と同情の混じった目を向ける。
「転んで、ぶつけちゃったのよ」
「うわぁ、痛そう。部室に救急箱がありますけど」
「大丈夫。冷やせば直るから」
早苗は部室の鍵を職員室の壁に掛ける。
「あ、そうそう花園さん」
「はい?」
ショートカットがふわりと浮く。「9人に使い回される野球部備品」の妄想が、一瞬だけよぎった。
「その、もし、友達とか親御さんにはできない相談があったら、あたしはいつでも聞くからね」
「はい?」
早苗はきょとんと瞬きをした。
「何でもない。痛くてあんまりしゃべれないのよ」
桃子はテストの採点に取り掛かった。
首をかしげながら、早苗は職員室を出て行った。
(やっぱり歯医者さんだけでも行っておこう)
桃子は、頬のタオルをきつく押さえた。