淫靡女教師猥雑肉欲妄想絵巻-6
(こうやって使うと、ボールギャグや猿轡みたいだ。うつむくと口が閉じられず、意思に反して涎が垂れてしまう。実に被虐。まさに官能。今度からハンカチはやめて、伝線したストッキングを使おう)
エコロジカルな自慰アイテムの発見に、瞳が熱を帯びた。
右手の人差し指と薬指で茂みを掻き分けて、そっと縦に膨らんだ唇を開く。中指で肉芽を強く押し、震わせる。
「…ふっ…うぅ」
のけぞると、トイレの天井に通気口が見えた。網が張ってある。
(そういえば職員会議で、校内に防犯カメラを置こうという話があった)
物騒な昨今、不審者の侵入に備えてカメラを付ける、それは教頭の提案だった。
教頭のことを、桃子はあまり好きではなかった。話しかけても眉に皺を寄せ、そっぽを向くからだ。女だからと馬鹿にしているのだろうか。会話はしてくれるのだけれど。
(あの通気口にも防犯カメラがあって、それを教頭が録画しているかもしれない)
それは『防犯』ではなく、スタートから犯罪である。
(教員たちのあられもない排泄シーンをコレクションしているのでは)
桃子は気付いていないが、教頭は数年前から視力と聴力がめっきり落ち、話し掛けられると、最初に相手を見詰めて確認し、その後に聴力の高い左耳を向けるという癖がある。
教頭は人望も篤く、後進の育成にも力を入れているのだが、いつもぼんやりとしている桃子は、有望な人材だとは見なされていなかった。
そして教頭の防犯カメラ設置の提案は、若い教員が休日を潰して電話番をするという慣例をなくすための改革の一つであった。桃子はそれも知らない。
(あたしが校内でマスタベィションにふけっている姿も、ヴィディオに録画されていて)
グレーのセーターの裾から左手を入れ、飾り気のないブラジャーのカップをずらす。
固くなった乳首をつまみ、ねじりつぶす。手のひらで乳房全体をを柔らかく揉む。
中指の腹で、肉芽をかりかりと引っかく。腰が前後に動き、便座が軋んだ。
(あたしを呼び出し、淫らなマスタベィションを録画したテープを見せつけ『この淫乱め、性欲の塊め』となじりながら、教頭は哀れな女教師を校舎の地下の教職員矯正施設、通称「ソドムの市」に連れていくんだ)
桃子の脳内で、静沼高校の改築は進む。
濡れた指先をさらに進め、肉芽と膣を同時に刺激する。
指は中には入れずに、こりこりと縁にそってくすぐる。
涎を吸ったストッキングがひんやりと固くなり、唇を荒縄で割られたような気分になった。
(「ソドムの市」の鉄の扉を開けると、そこには石造りの階段。過去に教頭に責め苛まれた教員たちの血と体液で、床と壁がじっとりと湿っている。猿轡と首輪を付けさせられ、後ろ手に縛られて重い足枷を引きずるあたしは、黒革のブーツを履いた教頭に鞭で追い立てられながら、その石段をよちよちと無様な姿で降りて、目の前に並んだ古今東西の責め具を見せつけられて)
大変な高校もあったものである。
なお今回の妄想には登場しないが、すでに桃子の頭の中で、秘密特殊生徒指導室、通称「ナルキッソスの受難」は完成し、何度か桃子も利用している。
そこでは在校生から選りすぐった線の細い美少年たちが、深紅のボンデージ姿の桃子の一本鞭と、市販のSMプレイ用の低温タイプではない、熱い和蝋燭を使った華麗な責めに屈服し、嗚咽を漏らしながらお互いの性器をしゃぶるという展開が基本だった。
射精に至らなかった少年は、罰として全身の体毛をむしられ、後ろ手に縛られて吊るされる。その乳首には十字針が打たれ、きりきりと針金で縛られた性器には唐辛子と山芋の汁を混ぜた液体が塗られる。疼痛に涙を流す彼を嘲りながら、桃子は残りの少年たちの艶やかな舌奉仕を受けるのだ。
妄想の中では、幅広いプレイに順応できる桃子であった。
今日の桃子は被虐モードなので「ナルキッソスの受難」の少年たちもお休みである。