舞い斬る華 第八章-4
部屋の中全てが何もないくらいに静かな空間。
その数秒後、すっとシルディアは背を向けていた椿の方に体を向ける。
そして椿をぎゅっと抱きしめる。
「椿ぃ…」
「シ…シルディア…」
腕の中抱き合うシルディアを包むようにする
「…椿…
スースー……」
「あれ…?」
「…椿……」
「ね…寝てるのかよ…」
名を呼んではスースー寝息を立てていたシルディア。
「っぷ」
軽く噴出し、抱きしめたシルディアの髪を軽く撫でると、そのまま椿も目を閉じた。
「お休みシルディア。
お前は良く頑張ってるよ。
俺が一番近くで見て言ってるんだ
間違いない」
チュ…
…
ふっと目が覚める椿
カーテン越しに明るくなっている部屋
まだ腕の中でスースー寝ているシルディア
少しの間、そのシルディアの顔を優しい笑顔で眺める。
そして、椿は「そういえば!」っと、思い出したように老師の元へ向かおうと上半身を起こす
ハラリ…
めくりあがる布団
と、そこには寝ているときにズレたのか、二人の巻いていたタオルがほどけていた。
急いで布団をシルディアにかけなおす椿!!
それで起きたのか、シルディアが目をこすりながら
「…あれ?
あ…ぉはよ♪」
寝ぼけた感じで朝の挨拶。
そして少しボーっとした後、こちらも思い出したように…
「ぁ…ぅ……」
布団を軽くめくり上げて自分の格好を確認する。
「ぁはは」
そして少し変な感じに笑う。
「昨日って…
寝ちゃってた…?私…」
「うん。寝てたな」
ちょっと苦笑いの椿。
「ごめんね?」
「いやいやいやいや
謝るなって!」
妙に焦っている上半身丸出しの椿
ベッドから出ようと布団をめくろうとする…
が、そうするとあられもない姿が!
あわただしく布団の中の巻いていたタオルを探す
ササっと巻きなおして布団から出る。