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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 第八章-2

椿、シルディア、その他のチームのメンバーも各々の部屋へ散っていく

そこに偉老師が椿の元へコッソリと行き、耳打ちする。

「椿よ…後で話がある
明日の朝、早いうちにワシのところに来てくれぬか?」

神妙な面持ちの老師…

少し気になった感じを見せながらも、体を休めないとこれからの激戦となるだろう現状、切り抜けられないと仕方がないので椿は背を押されるままに部屋へと向かった。

扉を開けると、そこにはシルディアが居た。

「椿ぃ…」
ソファーに座りさっきのようにうつむき小さくなるシルディア。

ドサッ
その隣に座り、顔を覗き込む椿
「どうした?」

「…あのね…」

少し想いをためるような感じでシルディアは喋る
「私の手ってさ…
本当に誰か守れるのかな?
邪魔になってないかな…
ただ足手まといになってるんじゃないかな…」

シルディアは深刻な顔をしていた…

「前に言ってたお母さんのこと思い出したか…?」

コクリと小さく頷くシルディア

「今のシルディアは強いよ
今日だって、皆逃げれたのはシルディアの石蹴り技のおかげなんだぞ?」

そしてギュっと手を握る

「それに…」

「それに?」

「シルディアが俺を強くさせてくれた。
俺が国で戦ってるのもシルディアが居たからこそさ。
もちろん今は自分の意思で戦いたいけどさ?
そのきっかけをくれたのは…ここに俺がいるのはシルディアが居たからなんだ」

無言のまま聞いているシルディア

「んま、まだ力が足りないなら、これから二人で強くなったらいいさ♪」

椿の明るい感じの励ましに、ちょっとふっきれたように顔を上げるシルディア。

うっすら涙の溜まっていた大きな瞳を笑顔で閉じて、

「二人でね♪」

「ああ」

あたまをクシャクシャっと撫でると、椿はポンと彼女の背を叩いた。

「ほら、明日頑張るためにも部屋いって寝なきゃな」

「ぁぃ♪」
立ち上がってトコトコとドアのほうへ行くシルディア。

っと、そこで立ち止まる…


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