トラ恋!ステップ1-2
「どう思う?」
「…は?」
「だから。叶絵のこと、どう思うの?」
おーおー、すごい動揺してるよ。
こいつが頭を掻いてるとこなんて久々に見た。
叶絵。
こりゃキタわ。
多分、こいつ叶絵のこと好きだよ。
「まぁ……大人しいけど……かわいいんじゃないか」
確定ーー。
おめでとう叶絵。
あんたら、両想いだ〜〜
「そっかそっか。ふふふっ。」
…ん?
気付けば隣に孝次がいない。
振り返ると、2,3歩後ろで孝次は立ち止まっていた。
不思議に思ったが、私は構わずまた前を向いて歩を進めた。
そこから更に3歩進んだ時。
「おい、理香!」
珍しい。
こいつのこんな大きい声(普通の人からしたら大したことないが)、最近聞いたことがない。
なんて考えながら振り向く。
孝次の顔が微妙に赤くなっている。
これもまた珍しい。
「なに?」
「……」
……変だ。
こんな孝次は見たことない。
おっ、口開いた。
「俺……、俺は……………………………………」
「‥‥なに?」
「……」
「‥‥」
「なんでもない。帰ろう。」
そう言うと孝次は早足で歩き出す。
「変なの。」
すれ違い様、孝次の耳に入るように言ってみたけど、歩を緩めることなく私からどんどん離れていく。
「変なの……」
もう一度呟いて、私は孝次の背中を追い掛けた。
続く