舞い斬る華 第六章-1
あれから二日…
3人は最近事件のあった場所近辺の詮索を基本箇所として、同時にそれに繋がるであろうハロルドの消息をつかもうとやっきになっていた。
その時一緒に居たのに、ふざけている間におきてしまったことに対して責任を強く感じて居る老師。
パソコン等の機器にもそれなりに詳しく、専門家には全然及ばずとも、国がカ学力を結集して作り使っている電子機を使った調査の結果収集などの手伝いをする椿。
あまりそういうのが分からないながらも椿に教えてもらいながら作業を手伝うシルディア。
出来ることは個人差があるにしても、たった2週間とはいえ同じメシを食べ、腕を競い合った仲間を助け出そうという思いは皆同じだった。
「よし、今日はココへいってみよう」
データを収集検証した結果、ようやく攻め入る場所を確定。
椿が数枚のプリントを手に持って老師に相談してみる。
「ここら辺か…
ここら辺はそれなりに同士のやられている危険地帯じゃが…
今のおぬしらならなんとかなるやもしれん。
当然、ワシも大暴れしてやるわい!」
拳法着を合わせたような服を着た老師が、愛刀をサっと構えて意気込みを見せる。
試合ではないので着物ではなく、私服半袖にハーフパンツのシルディアも真剣な表情で太刀を背負う。
ターゲットは最近廃ビルになった地下
地下は少し前まではそれなりに流行っていたクラブだったが、急に店を不必要な移転。
大体同じくらいに上にあった店も移転や閉店のオンパレード。
当時火事などの災害も大きな事件も何も無かったし、車どおりも十分にあり場所としてはそこからの移転は不自然だった。
元々この地域はそんなに治安もよくなかったが、ここを中心として数キロの範囲での拉致未遂なども若干目立つところもあったし、
なんとなくって感じだけではあったが、多分ここにあるだろう…と、国と椿は考えた。
老師の長年の経験からいっても、無くは無い…
いや、これは臭いといった雰囲気も感じとれた。
新しい愛刀「スコーピオン(さそりの意)」を腰にさし、椿も行く準備は万端となった。
とても浮かれれる状況ではないが、これがこのチームでの初陣となる。
まずは普通の町人を装って、その廃ビルまで歩く。
立ち入り禁止とはなってなかったので、スっとその地下行きのコンクリートの階段を下りる。
地下一階。。。
ガランと突き抜けたスペースだった。
駐車場として使われていたのだろうか
そして問題となる地下二階の、元クラブのあった場所…
足音を立てないようにゆっくりと階段を下りる。
もちろん監視カメラ等には最新の注意を払う…といっても、全然そのようなものは見当たらなかったが、隠してあるかもしれないので確実に確実にと慎重に降りて行く。
細い階段の最後に、クラブの電飾の剥がれている扉があった。