舞い斬る華 第五章-4
あの昔の悪夢のような現実
暖かいものを手に入れたと同時に失うかもしれない怖さ
また自分が戦うとなって、いざ組織をみてそれでちゃんと動くことが出来るのか…
きっと、組織を相手にすると決心したその日から、彼女は毎日そんなことを考えていたに違いない…
20歳そこそこの女の子は、椿の温かい腕の中で声を出して泣いていた…
翌朝……
「チュ…」
飛び起きる椿
その驚いた寝起きの顔を見て声を出して笑うシルディア
まったくーといった表情で、頬にうけた暖かい感触を指で探るように確信しながら、彼女の唇にお返しをする。
「んーゴホンっ
そろそろ〜いいかのぅ?」
そこにはいつのまにか老師の姿!
二人は口から心臓が飛び出るんじゃないかといくらいのビックリの大慌てでベッドから飛び起きる!
シルディアは部屋にそそくさと戻り、身支度を始める。
椿もいそいそと服を取り替え、自分なりのメニューが用意されている朝食トレイに乗っている朝食を廊下からもってきて食べ始める。
「で、、、、
何しとった?
…どうじゃった?」
老師の直球ストレートかつ卑猥な質問
椿は朝食のコーヒーを噴出す!
「な、、何もないですって!」
大慌ての椿
「なーんでいまさら、そんなよそよそしい言葉遣いなんじゃ?」
最近は慣れてこんな下世話な会話には「ジジィ」だの言い返していた椿に偉老師は突っ込み放題突っ込む。
「で〜…どうじゃった?
えがったのか?」
「ほ、ほんとーになんもしてないって!」
ウブ〜な二人だから本当に何もないのだろうけれど、そんなことお構い無しに老師は次々と質問をしてきた。
「ごっそーさん!」
椿は一気に喉に流し込んだ勢いで食べ終わらせた朝食のトレイを廊下に戻し、そのまま必要な物を手にしてロビーに向かった。
そこに老師が追いかけてくる。
なんとか振り切ろうとしている椿の元に、シルディア登場。
老師は口笛を吹きながら
「ご両人〜」なんてちょっと古臭い変な盛り上げ方をした。