舞い斬る華 第四章-1
☆注意☆
この先、過去編と重なる部分も出てきますが、あれはあくまで外伝ですので…
本編は本編の続きとしてお楽しみ下さい♪
でも過去編を読んだ方は、多分読んでない方よりは深く楽しめるかも?
ではでは第4章…お楽しみあれ!!!
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パラパラ…
雨が降ってきた
あの日から一日
昨夜は椿とシルディアは同じベッドに横になり、試合で疲れた体と心を癒すように眠りについた。
椿が先に起きる
手を繋いだ状態で寝たが、起きると椿の腕枕にしがみつくようにシルディアが居た。
椿がシルディアを眺めたままの状態で待つこと数分
シルディアも目を覚ます。
「おはょ♪」
シルディアはにこっと笑う。
ホテルに設備の喫茶店で軽く朝食を済ませ、チェックアウトをする。
刀の鞘を傘代りに歩く椿の斜め後ろを歩く、透明なビニール傘をさすシルディア。
若い男女が歩く姿も、どこか恋人でも兄妹でもなく、主人と召使いのような雰囲気を見せる二人。
椿の歩幅とシルディアの歩幅
同じペースで歩いていくと少し離れていく距離
少し離れてはトコトコっと小走りをするシルディア。
召使い…というよりまるでペットの様と訂正しておこう…
が、ふと気付いた椿が歩みを遅くする
シルディアはトコトコと椿の隣まで来た
しかし、そんなのどかな雰囲気も心の中は複雑で、会場に近づくにつれて表情に多少緊張の色が見え始める。
そして会場。
そして時間。
場には昨日見た顔数名が集まっていた。
そこには優勝者の一刀流の男も居た。
そして会場に来る前に連絡志願した人間の名が呼ばれる。
まず、自分とシルディアの名も呼ばれる。
っと…もう一人の名が呼ばれてすぐに称呼は終わる。
この中から国に力を貸すのは二人を含めても僅か3人だった。
ガシっ!
突然、先日の戦いで椿に勝ちそのまま昨日優勝した居合い一刀流の男が椿の手を握り締める。
「すみません!私も協力したかったのですが、我が道場にて門下生を抱える身…
さらにはあなた様のような臨機応変な力も無く、剣も壇上での剣。
実戦では役に立てそうに無い…」
目に本当に悔しそうに涙をためて熱く語る男に椿がポンポンと肩を叩きながら
「なに、様なんてつけてんのさ
貴方の方が年上だし、何よりその俺に勝って優勝までしてるんだぞ?
でも、せっかく優勝もしたんだし、ちゃんと弟子にその腕を継承して、この大会も腕を磨いて絶対また来るからさ
勝ち続けててくれよ?リベンジさせろよ?」
自分に勝った相手にも男らしいスマイルで返す。
居合いの男は泣いていた。