舞い斬る華 第四章-6
…
翌朝…
ゴワァァァァァァァン
各部屋についているスピーカーから銅鑼(ドラ)の音が鳴り響き、3人の耳をつんざく。
飛び起きる3人
銅鑼が鳴り止んだ後に老人の声が流れ、ロビーに招集がかかる。
そう、これから本格的な修行が始まるのだ。
最低1ヶ月は訓練を経て、戦線に旅立つことになる。
まだ時間は朝の5時
太陽が昇りきるかどうかといったところだ。
ロビーから出てまだ肌寒い空気を吸い込む
「さて…朝食前に軽く基礎トレーニングでもしようかの」
いかにも老師といった感じの拳法の衣装を着込んだ老人が皆の顔を見回す。
「ほれほれ、シルディアちゃん
いつまでも眠そうな顔してちゃダメだぞぇ?」
「キャッ!!!!!!」
スっと老人がシルディアに近づいたと思った矢先の悲鳴である
そこに一目散に椿の視線が飛ぶ。
そこには涙目のシルディアのお尻をナデナデするクソジジイの姿…!
「なにやってんだゴラぁぁぁ!!!」
椿があっという間に鞘から抜いた刀を振りかざす
それを余裕の表情で避ける老師。
そして大笑い
「かっかっかっかっ。ムキになってからに…
おぬしら付き合ってたのかぇ?」
老師はそういうのが大好きそうな顔をして聞く。
椿とシルディアは顔を見合わせて赤くなり、視線をそらした。
「い、、いや…そーゆーわけじゃねーんだけどさぁ…
女の子に…なぁ?」
目を泳がせながら椿が言い訳するように言う
とーーーっても複雑な苦笑いをするシルディア。
そして一瞬ちょっとションボリした表情で椿を見つめるシルディア
その一瞬は椿も誰にも気づかなかったが、椿は照れた表情でシルディアを見た。
再度目が合うと、椿はまた苦笑いをしていたシルディアに苦笑いで返す。
しかし、老師のイジメ(?)はそれでは終わらなかった
「ん?
もう二人はチッスはしたのかぇ?」
二人の顔を覗き込むように
「もしかして、もう一緒にネンゴロする仲とかかの?」
真っ赤になって下を見続けるシルディア
作りあげてきたイメージがた崩れに間抜けに慌てふためく椿