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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたりの初デート!-2

「エリカったらね、昨日の夜から緊張しっぱなしなんだよ。朝だっていつもより一時間早く起きてすぐシャワー浴びに行ってさ、髪がうまく決まんなかったみたいで『あかね〜助けて〜』とか言ってさ」

「お待たせ〜〜!…って何でふたりして笑ってんの?」
「ククッな、なんでもない…。」
「クスクス、いいから早く行きなよ〜。バス出ちゃうよ〜?」
「あ、そうだ!行こっ、ユキ!」
──
「おい、ちょっと待て。」
「え、なに?お母さん」
「いいか、キス以上は……(省略)」

その後、エリカが「するかっ!」と叫んだのは言うまでもない。



‥‥‥ ―‖:



なんだかいざとなると、緊張してなかなか言葉が出てこない。
うあぁ…めちゃめちゃ気まずい。
なんか喋んないと……


「てかお前、スカート短くね?」

「…ふぇ!?」

し、しまった。
失敗した。

「あいや悪い意味じゃなくてさ、その…いいんだよ? いいんだけどやっぱ何でかな〜って思って」

まずい。
自分でも何言ってるかわからん。

「だって…デート…初めてだから…一番可愛いのと思って…これ穿いて…」

エリカは顔を真っ赤にしながらものすごく小さい声で言った。
てか俺も絶対顔赤い。

どうしようと思って下を向くと、互いの手が目に映った。
その距離が今にも触れ合いそうなくらい近かったから、俺は無意識に…というより衝動的にエリカの手を握った。
エリカはビクッと反応して顔を上げる。

「あ……ごめん。俺……緊張しまくってわけわかんないこと言っちゃった」

俺はそう言って引き攣る頬をムリヤリひねり上げる。
するとエリカは、俺を見て真っ赤な顔で微笑み返してくれた。
…そして俺の腕にそっと寄り添ってきた。


……なんかこういうのも悪くないな。

俺たちはずっと無言で手を繋ぎながら目的地まで歩を進めていった。

途中、バスにも乗ったのだが、そこでも終始無言だった。
もちろん、手はずっと繋いだまま。




本日のメインイベント……それは映画だった。

俺とエリカはずっと手を重ねながら見入っていた。

内容は……
明るくて活発な女性が記憶を少しずつ失っていく病気にかかってしまう。
彼氏の男性はそれを知ってショックを受けるが、彼女が自分を覚えていられる限られた時間をずっと一緒に過ごそうとする。
……てやつだった。
……泣けた。
もう彼女が記憶を失う寸前の会話がヤバかった。


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