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ふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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ふたりの初デート!-1

俺とエリカが恋人同士になったあの日から二週間。

本日、雲ひとつ無い快晴の日曜日。
俺たち、ついに初デートしますっ!!


「いってきま〜〜す!」

「いってらっしゃい。キス以上はまだしちゃ早いからね。」
「するかっ!!」
「ほら、早く行きなさいよ。彼女が待ってるわよ。」
「…おうっ!」

俺は弾けるように家を飛び出した。


「でーえーとぉ〜♪でーえーとぉ〜♪」

やばい。
顔がやたらニヤける。
足が勝手にスキップを刻んじまう。
そしてさっきから気持ちの悪い唄が口を突いて出てきやがる。

エリカの家にはもう着いたんだが、こんな髪の毛から顎の先まで緩みっぱなしの顔で上がろうものなら今日の主導権はエリカに握られてしまうことだろう。
俺は思いっ切りしかめっ面を作りながら深呼吸して気分を落ち着けた。

ピンポーン

……あれ?
何で俺インターフォン押したんだ?
いつもなら勝手にドア勢いよく開けて「エリカ〜!行くぞ〜!」って感じなんだが……。
うん、間違いなくテンパってるね俺。

ガチャッ
「あ、お兄ちゃん。おはよ。」

あ、あかね……

「お、おはよう」
「カッコいいね、そのジーンズ。似合ってるよ。」
「そ、そうか?ありがとう。」

……平然と俺に喋りかけてくるあかね。
やっぱりこの子は強い。

……実は先日、こんなことがあった。
告白の嵐から逃れるため、俺とあかねは学校では付き合っている?フリ?をしていた。
しかし、帰り道で

『お兄ちゃん、もうやめよう。あかね、ひとりでも大丈夫だから。』

あかねは表情ひとつ崩さず、凛とした態度でそう言った。
逆に俺の方が涙ぐんだくらいだったし、エリカなんて号泣していた。

しかもあかねは、俺と付き合っていたのは「ウソだった」と本当のことを言うつもりらしい。

あんなに子どもっぽいと思ってたのに……
何だか、あかねに対するイメージがすっかり変わってしまった。


「エリカ〜〜!お兄ちゃん来たよ〜!」
『待って〜〜』

奥からエリカの声が聞こえると、あかねはクスクス笑った。


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