きっと、そうー体育祭-4
保健医がいるテントに着くと、癒芽をベンチに静かに座らせた。
どうやら怪我の説明をしているようだ。
足を見てもらい、腫れていたので湿布を貼ってもらった。
幸い、さっきのリレーで癒芽が出る競技は終わりなので、この後は安静にしておくことにした。
「悠哉・・・!」
癒芽が安静にしていなければいけない分、委員会の仕事が多くなる。
クラスの久世がやってくれればいいのだが、どこかでさぼっているようで、見当たらない。
「ん?」
「ごめんね。」
悠哉は、一瞬止まると顔を少ししかめ
「ごめんじゃないだろ?」
あ・・・。
「ありがとう。」
そのあとも癒芽の分まで一生懸命仕事をしてくれた。
クラスの人が様子を見にきてくれたりしたけれど、それでも目が行くのは悠哉で・・・。
自分が迷惑をかけている、という罪悪感と、それでも嫌な顔一つせずに仕事をこなす優しさに惹かれていく。
それと同時に今日呼び出されたことも思い出して、顔が赤くなる。
悠哉の言うことが、どんなことでも・・・
私は悠哉に気持ちを伝えよう。