舞い斬る華 第二章-4
「残念だったねぇ〜」
そこにシルディアは居た、、。
しかし、その表情は笑顔だった。
「ダメじゃん。私に勝ったのに次なんかで負けちゃ〜」
いつもの屈託無い笑顔と、たまにみせるちょっと苦笑いまじりのシルディアのその笑顔
じわっと立ち込める熱さを内に隠して、椿は笑って返した。
「あはは。こんな日もあるって」
椿はさらに熱くなる目じりを見せまいとシルディアに背を向た。
シュ……パシっ
そして立ち止まっているシルディアに何かを投げる。
手の中でキラリ光るカードキー
「ぁ……」
「金…無いんだろ?先に汗でも流しとけって 今日はお前の祝賀会な!」
親指をグっと上に向けると、そのまま椿はホテルとは逆の街中の方へと消えていった。
「…ありがと」
シルディアの口からでたありがとうは、僅かに聞こえるか聞こえないかくらいの声だった。
ポロポロとこぼれ落ちる涙をグイっと拭うと、シルディアはホテルの方へと歩き出した