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舞い斬る華
【ファンタジー 恋愛小説】

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舞い斬る華 第二章-2

「やっぱ、この大会って結構レベル高いよなぁ…シルディア大丈夫なのか…?」


ムサイ音楽とはうって変わって、今度は明るい曲調の女性シンガーの歌が響き渡る。

反対口からシルディアが勢い良く飛び出してきた。
こないだと同じ西洋チックな動きやすそうな斬新な着こなしの着物を身にまとい、太刀の遠心力と身軽な動きで、フィールド中央付近まで飛び跳ねるように舞い降りる。

「ぇ…まじかよ…」

貧乏と思い込んでいたシルディア
電光掲示板を良く見ると、戦歴の他に総ランキング、女性だけのランキングがあり、その女性の方は賞金ランキング10位以内に入っていた。

やはり競技人口とかの問題で、総合ランキングとしては男が上位を占めているので、全然眼中にも無かったが性別ランキングとしては椿より順位が上のシルディアに、ちょっと意外な一面を見てビビっていた。

「確かに俺とアレだけ渡り合ったなら、女の中では相当強いんだろうなぁ…」

試合開始の合図

やはりシルディアは最初から飛ばす展開
本当にその華奢な体から見ると大きな大きな太刀をバランスよく扱い、ずっと相手を受けに回らせて押し切っている感じだ。

刀ごと体当たりしてからの足技など、相手の動きが多少鈍いせいか俺との試合のときより動きが冴えている感じも見られる。

そして連携技カらトドメって感じの大回転斬りで相手がガードした獲物を吹っ飛ばす!!
そのままサクっと一本!勝負あり!

シルディアはまた身軽にクルっと宙返りをして笑顔で喜びを露にする。

すると、今、気づいたのか試合時にはもう気づいていたのか、二階席の椿を見上げると大きく手を振って親指をグイっと上げてやったぜ!の合図を送る。
その笑顔につられて、椿も親指を真似るように上げて合図を返す。

シルディアが引っ込むと椿はそのまま自分の試合の受付をして控え室へ行く。

その場には既にシルディアの姿は無かった。

敗者復活戦といっても勝てばそれなりに賞金は出る
今頃はまた二日おきにある試合のために、近所のホテルに予約でもしているのだろう。

椿はさすがに準決勝を前に、今日の対戦相手のプロフィールを念入りにチェックする。

「あいつか…」

対戦相手は正統派の居合い一刀流の使い手で、過去2度ほど戦っているが、戦い方の相性からも椿には特にたいした相手ではなかった。

それでも試合は試合
相手も強くなってきてるだろうと、武器の手入れも精神統一も余念が無かった

そこら辺の試合への真剣さも常勝を重ねている椿の強さだろう

「さて…舞いに行くか…!」

この相手は戦闘中の立ち振る舞いも綺麗で華があるので、椿的にはお気に入りの相手で、さらに気合も入る。


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