=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第壱斬「蒼い巨像」〜-23
「あ…………あ…………。」
パキィッ!
真っ二つに…………。
爆散。
我流・疾・空・雷・撃・斬ッ!!
「成敗……………。」
一回刀を振り、鞘に収めた。
「……………。」
「よくやった………ゆくぞ………。」
「………うん。」
バルは一度振り返り、飛翔。
そのまま…………飛んで行った。
★☆★☆★☆★☆★☆
「ハァッ………ハァッ………ハァッ………ハァッ………ハァッ………」
ひたすら、美月は走っていた。
蒼真と離れてから約九時間。
ようやく解放された美月は、蒼真を見つけるため、走っている。
「(蒼真………………!!)」
心配だった。
ただひたすらに、心配だった。
愛しい幼なじみに、もしもの事があったら…………。
街は、騒然としていた。
救急車のサイレンは鳴り続け、人々は、家族の無事を確認するため、辺りを彷徨している。
自衛隊まで出動する始末だ。
「(蒼真……………翔太……………和美ちゃん……………!!)」
すでに、美月の顔は、崩れていた。
いつもの快活さは、今は、ない。
「(無事…………だよね…………?)」
見えてきた………。
マンションだ。
幸い、建物に被害はない。
「(絶対………無事に………!!!)」
「あ、美月お姉ちゃぁん!」
「!!」
いた。
周防和美だ。
美月はすぐさま涙を拭き、和美のもとへ駆け寄った。
「和美ちゃん!!」
そのまま抱き着く。