=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第壱斬「蒼い巨像」〜-18
「なら………幼なじみのためなら………戦えるか?」
「え………美月の………ため?」
「そうだ。その幼なじみを守れ、その手で。」
「美月を…………守る…………。」
悪くない。
それなら、戦える気がする。
何かと自分に構ってくれる幼なじみ。
いつも一緒にいる幼なじみ。
弁当を作ってくれた幼なじみ。
大切な、幼なじみ。
美作美月の………ためなら………。
「………やるよ。」
「……………。」
「戦う。美月を……守るためなら。」
「よく言った。なら操縦桿を握れ。」
「うん。」
目の前の操縦桿を両手で握る。
「操縦方法は分かるのだな?」
「うん、大丈夫。」
「安心しろ。我が、援助してやる。」
「……………うん。」
戦うんだ…………全ては…………美月のため!
美月を守るため!!
「美月は…………オレが守るっ!!」
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「来るぞ、4時、8時、10時、三方向からだ。」
「う……わ………。」
昨日まとめたレポートを必死に思い出し、操縦桿を動かした。
戦闘機がフォローしてくれているからだろう。
動きがスムーズだ。
「その調子だ。隙あらば、撃て。」
「う、うん。」
猛スピードで戦闘機はオロチの頭を縫う。
次々と襲撃はあるが、なにぶん、戦闘機が速すぎた。
かすりもしない。
「………甘い。」
さらに来た襲撃を、錐揉み回転でいなす。
「ほぅ…………、やるではないか。」
「見えた!」
本体だ。
「ロック………オン………。」
狙いを定め………
「いけ!」
メイントリガーを押した。
両翼のライフルが火を吹く。
直撃。