=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第壱斬「蒼い巨像」〜-16
「え゛っ…………………。」
「お………お前。」
「オレは違う!オレのせいじゃねぇって!!」
刹那
ビュォッ!!
何かが削れた山から飛び出した。
「げっ!」
「うわぁぁっ!!」
こっちに飛んで来て…………真上を通り過ぎた。
猛スピードで………。
一瞬の出来事だった。
「な………何なんだよ………今の?」
「わ………わかんねぇ………。」
二人は、確かに見た。
戦闘機が飛んで行くのを………。
色は……………蒼。
★☆★☆★☆★☆★☆
蒼真は、呆気にとられていた。
全力で進もうとしたら、思いもしない事が起きたのだ。
どっかから来た戦闘機が、怪物を撃っている。
ただの戦闘機ならいい。
自衛隊とも思える。
問題は、その容姿だ。
蒼が基調で、ところどころが白い。
ウィングが二枚に重なっており、何より、戦闘機らしからぬ戦闘機なのだ。
デザインが、未来的すぎる。
だいたい、戦闘機にしては、デカすぎだ。
こんな戦闘機は、今だかつて見た事がない。
「な…………今度は………なに?」
進む事も忘れて、ただ突っ立っている蒼真。
その間にも、戦闘機はオロチを攻撃し続ける。
やがて、オロチは下がった。
そして、その隙に、戦闘機は、蒼真の前に着陸した。
「え?」
あまりに意外な行動に、そうとしか言えない蒼真。
そして…………
「乗れ。」
戦闘機が、クールな声で、言った。
中のパイロットではない。
コックピットには、誰もいない。
"戦闘機"自身が、しゃべった。
「せ、戦闘機が………しゃべった……。」
「早くしろ、死にたいのか。」
コックピットが開き、そこからロープが放り投げられる。
「掴まれ。」
「え………でも………。」
「早くしろ。」
「う…………うん。」
蒼真は流れのままに、乗り込んだ。
ロープは収納され、コックピットが閉まる。
そして、すぐさま離陸。
大空へと飛び立った。