=《蒼閃機甲バルトーク》= 〜第壱斬「蒼い巨像」〜-12
「こ………これ……!」
言え……………………
爆発音
……………た?
再び、爆発音。
「え…………?」
あまりにも非日常的な音に違和感を覚える。
だから、美月は振り向いた。
振り向いてしまった。
向こうのビルから…………煙が。
「な…………何………あれ?」
蒼真が言う。
蒼真だけではない。
その場にいた全員が煙の方向を向いていた。
やがて………煙の中から、巨大な物が立ち上がる。
「ちょっ…………これ…………。」
ガチャッ
美月が弁当を落とす。
巨人だ。
いや、"人"ではない。
人ならあんなに牙は生えてない。
赤く、丸い四つの目。
手には鋭い爪が並び、背中には、八本の蛇の頭。
その全てに四つの目と牙がある。
途端、時が動き出したように、群集が悲鳴と共に走りだした。
その場にいた全員が、我が身の危険に気付く。
だが、今だに、蒼真と美月は動けなかった。
その巨大な怪物…………オロチは、グルリと周りを見渡し………
目の前のビルを、破壊。
木っ端みじんに、粉砕した。
「何なんだよ…………何なんだよあれ!!」
蒼真が叫ぶ。
すると……………
ブルッ………
腕が震えた。
リストバンドの下、ブレスレットだ。
「!?」
すぐにリストバンドを開く。
"ココニ、コイ"
再びこの文字、だが、今回は少し違った。
文字が、増えている。
"ミナヅキシヤクショ"
"水無月市役所"…………。
今、怪物がいる先である。
「そ………蒼真………。」
少しでも現実を得ようと、美月は蒼真に近づいた。
………途端。