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カーテンと机とつぶれた気持ち
【青春 恋愛小説】

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季節の変わり目-3

『サッちゃん?』

後ろから声がした。
最初は自分が呼ばれた気がしなくて、1拍遅れて返事をした。

「あぁ‥結城君。」

『今、帰り?』

「うん、でも傘ないから止むの待ってる。」

『あのさ‥‥一緒に帰んない?俺、傘あるし。ムリかな?』

どうしてこの人の口はあたしの欲しい言葉を簡単に紡いでしまうのだろう。
でも今、この優しさに甘えてはいけない気がする。
もし、甘えたらずっと抜け出せなくなる。


「ありがとう。でもあたしは止むの待ってるからいいよ。どうせにわか雨だと思うし。」

確か、テレビを消す少し前に《にわかあ》まで言ってた気がする。


『俺のこと‥‥もっと利用すればいいのに‥‥‥。
奏人の代わりにはなれないかもしれないけど、寂しいときはそばにいるよ?聞いて欲しいことあれば何だって聞くよ。
俺、サッちゃんが好きなんだ。だからいくら利用されたってかまわない。サッちゃんが誰か必要なときは俺が誰かになるよ。』





あたしの中で何かが崩れた。




雨はまだ止まない‥‥。


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