Funny×Funny×Days(1)-4
「仮に引き受けたとしても、俺自身が一葉さんに危害を加える事だってあると想定されてますか?」
正直、一葉さんに対する思いが揺れてる。
初めて触れた異性の感触だけと言えなくもないが、きっかけは些細な事で充分。異性として意識せざるおえない。
「やだね〜。俺だって人を見る目がある。君は力で捻じ伏せるのが趣味なのかい?どんな行為でも合意なら当人同士の問題だけどね。
無理やりだったら要くんの6親等以内の人に君の人間性を通告する怪文書送ってもいいし」
一方的に力を誇示するのは好かないが、何と言うか茂さんがとてもアバウト過ぎると言うか…それよりも本当にやりかねない報復を先に例えられ俺は顔が引きつった。
「茂叔父さん、何こそこそ話してるの?要さんの顔引きつってるよ?」
トレイに朝食を載せた一葉さんが問えば、彼女の叔父はしれっと虚言を呟く。
「暫くイチに案内させようかって話してるだけさ。まだこの街の事も良く知らないだろうし、イチのお買い得情報は一人暮らしの要くんには必要だろ?」
「じゃあ早速ですけど、要さん今日午後にでも少し案内しましょうか?」
親切にも虚言を信じた一葉さんが誘ってくれた。多分ここで返答した答えが、ボディーガードを引き受けるかどうかに繋がるんだろうな…案の定、見守る茂さんの目元は笑っていない。
俺に残された選択肢は只1つのみ。
蒔かれた恋の種は理不尽に間引きされる事はない条件だという事を再確認しつつ、俺は慎重に答えた。
「宜しく、お願いします」
頭を下げて、大袈裟までに恭しく…
俺の視界の先には茂さんが口元を隠す前に、にやりと笑ったのが飛び込んでくる。
心境的には天使を餌に悪魔の誓約書にサインをした気分だ。
そんな気分でも一葉さんが手掛けた朝食はとても美味しかったのは、この日の救いだろう。
そう
思い返しても、この日の俺の救いは朝食だけだった。
To be continued?