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Cross Destiny
【ファンタジー その他小説】

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Cross Destiny
〜神竜の牙〜C
-16

西側の拠点
「いけー!突破しろ!!」「ぐわあああ」
西側の拠点にわずかに残された兵力を一気に削るジェラルド軍とシーラ軍
その勢いに圧倒され戦意を失う者、逃げ出す者が続出し、もはや突破口は開かれた。
"ザシュン"
「ぎゃーーー」
突如数十人のジェラルド軍の首が吹き飛ぶ。
何か判らぬものがジェラルド兵達の間を擦り抜けていく。
"ヒュア"
風のような音と共に数多の兵が死んでいく。
「なんだ?なにが起きているんだよ」
次第にパニックに陥るジェラルド兵達。
「一体なにが?」
アルス達はジェラルド兵を次々と殲滅する存在が何か確認できなかった。
そしてジェラルド兵を一時下がらせ その存在を確認した。
それは一人の人間だった。
まるで神父の格好をしたその男は、背中から翼が生えたかのような姿をし、言葉通り目にも止まらぬ速さでジェラルド兵達を刻んでいた。
「あれは・・・セス」
呟くレーヴェス。
そしてアルスはその名前ではなく姿を見て驚愕する
「あんたはあの時の神父」
そう神父の格好をしたセスという男は、かつてアルス達がヒーティアとジェラルドが交戦しているハロルの都に向かう途中の、孤児院であり教会でもある場所で出会った神父だった。
「あんたはホーリー軍だったのか?」
「ああ」
「あの時あんたが向けたあの子達への優しい眼差しは嘘じゃなかった。
なんでこんなこと
あんたはホーリーが神竜を復活させようとしてることを知ってるんだろ?」
ヴェイルは怒りの混じった声で叫ぶ
「あの子達のためさ」
「んだと?」
「この世界は狂っている、この世界を変え、あの子達を守るため」
「そんなんで本当にあの子達が喜ぶと思ってるのかよ!?」
「・・・・・君達とお喋りするつもりはないよ」
セスが腰に携えた刀を掴むと再び背中に翼のようなものが生えた。
するとセスの姿が消えた。
"ドシュ"
そしてヴェイルの肩が裂け血が吹き出る。
「こ、こいつは」

速さに自信のあったヴェイルだったが、セスの動きが自身の速さを遥に凌駕していたことを認めざるを得なかった。
ヴェイルは全く反応できなかったのだ。
いや、ヴェイルだけではない、その場にいた誰もが。
しかし勢いに任せようとジェラルド兵達が突撃を始めた。
「うおーーー!」
しかしセスに再び背中に翼のようなものが生えた。
"ザシュンザシュンザシュン"
セスの姿が消え、次々と兵士達が斬られ死んでいく。
「ここは通さないよ」
冷静な目でジェラルド兵を睨み付けるセス。
気付いたら死んでいる。ジェラルド兵達はその恐怖に尻込みをしてしまい、前に進めなくなってしまった。
「お前等は邪魔だ!いったんさがれ!!」
それを見たヴェイルはジェラルド兵達を下がらせる。
「ここは俺たちでなんとかする、アルスお前は単身で進め!」
そしてアルスに先に進む指示をした。


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