『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-265
「あ……ん……んん……」
彼女の頤をそっと持ち上げ、唇を重ね合わせる。待ち望んでいたように晶は、頬を紅くしながら瞳を閉じて、亮がくれる唇での囁きを受け止めた。
「ん……ふ……んふぅ……んっ……んんっ……」
交わす言葉は、分け合う吐息の中にある。それを逃すまいと、深く唇を吸い寄せ、晶の呼吸に含まれている全ての響きを、自分の中に取り込んだ。
気持ちの昂ぶりは、真っ昼間だと言うためらいを何処かへ飛ばしている。唇の触れ合いだけでは収まらず、亮は、晶の身体をわずかに覆っているタオルに手をかけた。
「あっ……」
胸の辺りで、申し訳程度に結び付けていたものが、いとも簡単に解けてしまう。形の良い晶の双房が、“ぷるるん”という擬音を当て嵌めたくなる揺れ方をしつつ、亮の眼差しの下に晒された。
「あ……んっ……ふぅっ……」
柔らかそうで、瑞々しさを感じさせるものが目の前で揺れていれば、手が伸びるのも当然である。晶の乳房を手のひらで包み込んで、下から押し上げるようにゆっくりと揉む。
「あっ……く……んっ……んぅっ……」
ゆっくり、ゆっくりと…。まるでマッサージでもするように、優しさを込めた手つきで、手のひらの中に収まっているバストを慰撫した。
「はぁ……」
切なげに零す吐息は、熱く艶かしい。体内のあちこちに散らばる官能の種火が、昂ぶりを熱源として燻りを始めた何よりの証だ。
むにゅ、むにゅむにゅ、むにゅ…
「あぅん……んっ、んぁっ……んふぅっ……」
その燻りを煽るために、ポンプで空気を送り込む。愛撫する指の動きに抑揚をつけ、柔らかく瑞々しい膨らみを、掌中でぷにぷにと躍らせた。
「きもちいいよ……」
まだ胸を少し愛撫しているだけだというのに、晶の表情は恍惚としている。乾ききっていない長い髪が、普段の艶にしっとりとした質感を加え、それらが合わさって醸し出されるエロスは、例えようのない美しさで彩られていた。
「きれいだ…」
「ん……あん……」
溜息のような、亮のささやき。それを耳の辺りに浴びて、晶はぴくりと身を振るわせる。性感の燻りが、そこにも届いているのだろう。
むにゅむにゅっ、むにゅっ、むにゅむにゅ……
「やっ……あ、あふっ……んっ……んぅっ……」
抑揚の度合いを、少し強くしてみる。その変化に従うように、晶の反応も強くなる。指から伝える己の意思が、そのまま晶の動きにつながっていることが、亮にはよくわかる。それが、心の結びつきにも感じられて、このうえない幸福感が生まれてくるのだ。
スキンシップ・コミュニケーションがもたらす最大の効果は、やはり肌を通して感じる心の一体感であろう。
「ん……ちゅ……んん……」
言葉の代わりに口づけで、幸福のサインを晶に送る。唇から始まり、頬、首筋、耳、瞼、と、彼女の顔をなぞっていくように。
「はぁ……あっ……あぁ…ん……」
そのまま、なぞる部分をどんどんと下に向けていき、揺れる房の上で、お行儀よく起立をしている紅い突端を、口の中に含みいれた。
「あっ……あぁっ……!」
刺激の波が強くなったのか、晶は息を呑んだ声を挙げた。その声を引き出すように、含んだ突端を吸引してみる。
「ひあっ!」
晶の両腕が、しがみついてきた。そのまま胸の中に顔を埋められた亮は、谷間から立ち上る芳香と、頬を挟み込んでくる極上の感触に、酩酊にも似ためまいを覚えた。