『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-239
「あっ! んんっ! んぅっ! あんっ! ああぁぁあぁぁ!!」
ごぴゅっ、ぐぷぐぷっ、ぬぷっ、ぐぷぐぷっ!
「や、やぁっ! お、おとが……!」
性器が接触するたびに、卑猥な音が響き渡る。亮が中に放ったものと、自分の体が生み出したものとが混ざり合い、摩擦によって熱く泡立って、淫猥な響きとなったのだ。
「あっ……だめっ……!」
ごぽっ、と、白濁した液体が、まぐわっている性器の脇から溢れてきた。身体の奥まで届いていた精が、自重と律動に刺激されて降りてきたのだ。
「出してくれたの……も、洩れちゃう……!」
騎乗位は繋がっている所がお互いに見えるから、精液が洩れ出る様子がよくわかる。
「は、はずかし……や、やだぁ……!」
それがまるで粗相のように感じられた晶は、ひどい羞恥を覚えたらしく、両手で顔を覆った。
「………」
しかし、その指の隙間から見える瞳は、突かれるたびに洩れ出る精子に興味を失わず、熱く繋がっている場所を見つめていた。
「いやなら……やめようか?」
「えっ……」
亮は不意に、腰の突き上げを緩める。それはもちろん、晶の羞恥心に応えるためのものではない。
「あ……あぁん……」
それを咎めるような、晶の吐息。それこそが、彼の待っていた“答”であった。
「どうした? 俺が動いちゃ、いやなんだろ?」
「う……」
「晶、答えてごらん。でないと……」
亮は完全に動きを止めた。
「い、いじわる……! ほんとは、わかってるくせに!」
「うん?」
どこまでも、とぼけたものである。
「も、もうっ……!」
ぐぷっ、ぐぷっ、ぐちゃぐちゃ!
「う、動いて……おねがい! 下からもっと、こういうふうに……!!」
堪らないように晶の腰が自ら上下運動を始めていた。亮の“言葉弄り”に嵌っているとわかっていながら、それでも毎度のごとく彼の望みを叶えてしまう晶である。
「んっ! んふっ! あぅっ! ああっ!」
「なんだ。自分でそんなに動くんなら、やっぱり俺はいいんじゃないか?」
「そんなの、だめっ……おねがい……おねがいよぉ……!」
腰を上下させ、時にはうねるように回転を交えながら、晶の瞳は潤んで訴えかけてくる。自分ひとりで動いても、それはまるでマスターベーションのようであり、晶を心の底から満足させるものではないのだろう。
「いじわる……いじわるぅ……」
なかなか動いてくれない亮を責めるように、晶は腰を叩きつけてくる。さすがに、“オイタが過ぎたかもしれないな”と、亮は反省した。
“夜の生活がこじれると、夫婦仲は一気に冷めるものだから気をつけろ”と、七歳離れた兄の務に忠告を受けたことを思い出す。なるほど、そういう兄夫婦の仲は、結婚してから十年を越えても倦怠期などは感じられず、円満そのものである。それはすなわち、今でも充足した夜の生活を二人が送っているからなのだろう。ちなみに、女の子二人を得てもなお、夜の生活はお盛んであるらしい。
「確かに、意地悪だったな」
「そうよぉ……んっ……あんっ……」
亮は、止めていた腰の動きを少しずつ再開させた。
「あっ……あぁ……」
待ち望んでいた律動に、晶の顔が満たされた悦びを顕にする。そしてそのまま、亮の生み出すリズムに合わせるように、激しさ一辺倒だった腰の動きを、緩やかなものに改めた。