『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-238
「んっ……あぁ……はぁ……」
くちゅ、にゅぷ、にゅぷ……
「くっ……」
重なり合っている互いの秘部が、艶かしい音をたてる。その度に、晶の中でいきりたつ分身が、生々しい感触の中で脈動した。
(アダムは確かに、“禁断の実”に手を出したな……)
体の芯から痺れさせる、甘露なる刺激…。これを一度味わってしまえば、病み付きになるのも道理である。それが故に人類はその遺伝子を、幾千年以上の歴史に変えて伝え続け、現在に至るまでの表面的な繁栄を築き上げてきたのだ。
それは同時に、自らが住まう世界を狭め、汚し、冒し続けることにもなるという因果を生み出したわけだが、創世の神がこの事態を予測していたとすれば、やはりこれは“禁断の実”であったのだろう。
(………)
無粋なことである。そんな考えは。今はただ、心から愛する女性とともに、気持ちよさを追求すればいいのだ。
「なに……? どうしたの……?」
難しい思考に耽った自らを、亮は自嘲して苦笑する。その際に緩んだ頬が、晶には気になったらしい。
「なにを、考えてたの……?」
胸に施されていた愛撫が、いつの間にか止まっていたことも不審に繋がったのだろう。共同作業を行っている中で、片方の気持ちがわずかでも離れてしまうのは、喜ばしいことではない。
「亮ってばぁ……」
愉悦に潤んでいる瞳で、軽い責めの色を見せる晶。相手にそんな顔をさせたのは、男として罪なことだと、彼には意識してもらいたいところだ。
「なあ、晶」
「?」
「俺も動いていいか?」
「えっ……あっ……!」
ぐちゅっ!
「ひっ……!」
答を聞く前に、軽く腰を持ち上げて、晶の胎内を突いた。少し浮き上がった晶の体は、そのまま自重によって深く沈み、それが故に、亮の肉剣が深々と中を抉った。
「やっ……あぅっ……! んっ! んぅっ!」
ずんずんずん、とベッドのスプリングを利用して腰を突き上げる。そのリズミカルな震動はそのまま下から揺さぶる律動になり、たちまち調律の行き届いた調べを彼女は奏で始めた。
「う、動いちゃ……だめっ……ん、んんっ!!」
太股に力を込めて、晶は亮の動きを封じ込めようとする。きゅ、と膣内の締りが良くなったのは、内股に力がこもったことにより括約筋を刺激したからだろう。
「ひあっ!」
その行為はむしろ、自身の快楽を強く引き出す結果を導いた。自分で締めた膣内を、固くなった亮のイチモツが往復するわけであるから、その“擦れ具合”がこれまで以上の愉悦を生み出すことになったのだ。
「………」
ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ……!
「ひっ、ひぃっ! あっ、んあっ!! ああぁあぁ……ッッ!!!」
下から突き上げる勢いを、更に強める。自重によって晶の腰が沈んでくるのを見計らい、その勢いも利用しながら強く腰を突き入れ、彼女の身体を高く跳ね上げた。
ぐぷぅっ!!
「ひあっ……!!」
加重的に与えられたベクトルは、更に深い位置まで勢いのある挿入を可能にした。晶の声ならぬ喘ぎが、刺激の強さを物語る。もともと一度の絶頂を果たした体であるから、敏感な状態は続いているのだ。
「や、やだっ……! そ、そんなに下から……ずんずん、されたらっ……!!」
ぐぷっ、ぐぴゅっ、ぬぷっ、ごぷっ!
「で、でちゃうっ! 中に出してくれたのが、外に……!!」
晶の膣内には、最初の性交によって撒かれた精が充満している。正常位のままであれば、それは膣外に漏れ出す量もわずかであったろうが、彼女はいま、亮を跨りながら上になっているのだ。
そこに激しい上下の出し入れが加われば、粘度が高いとはいえ液体に変わりのない精子は、物理的にも下に下にと流れていくだろう。