『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-191
(それに……)
相手の感じている顔を見るのは難しいが、代わりに、普段はほとんど見ることのない器官の監察をできるのも、“後背位”の特典だ。品のない言い方をすれば、今は桜子の尻の孔が丸見えになっている。体内の不浄をまとめて排泄するための孔は、そのための器官とは思えないほどに、愛らしく楚々とした窄まり方をしていた。
桜子は陰毛が薄い。会陰や肛門の周辺に至っては完全な“無毛地帯”となっており、少しだけ色のくすんだ皺の集まりがよく見える。腰を突き入れると、刺激を受けた括約筋が、窄まった部分を“ぷくっ”と盛り上げたりもするのだが、その見ていて愉しかった。
尻の孔にばかり話題を集中してしまったが、とにかく今は、二人が“後背位”で事に及び、愉しんでいると理解してもらえればよい。
(やっぱり、いい……これは……)
これまでにない様々な刺激が楽しめるだけに、“後背位”はクセになる。ただ、無理やり手篭めにされているという感覚は桜子の方にあるだろうから、相手の気分が乗らないのであれば、この体勢を強いることはしないつもりではいる。
ちなみに今回は、桜子の方がこの体勢を望んだものだ。枕に顔を埋め、漏れ出た嬌声が隣の部屋にまで響くのを防ぎたかったからであろう。
(おしりとか……丸見えになっちゃうけど……)
結果的に、桜子にとっては最も恥ずかしい格好になっている。それでも、大和にならどんな姿を晒して構わないと考えているので、不浄の孔を見られる羞恥もなんとか抑えることができた。手入れはきちんとしている自信もあった。
ところが、である。
ぴしゃっ、ぴしゃっ…
「ひんっ……! ひぁっ……!」
臀部に与えられる、軽い打擲(ちょうちゃく)。当然、これまでのセックスではありえなかった自分を責める行為だ。
「やだぁ……。おしり叩いちゃ、いやぁ……」
ほんのりと朱色の手形が浮かぶ臀部を左右に振る桜子。まさか、無防備に突き出している尻たぶに、スパンキングを受けるとは思わなかっただろう。
「はは……」
ぷるぷると振られた尻が、大和の奥底に潜んでいた嗜虐性を揺り起こした。
ぱちぃん!
「ひあ……ッ!」
強い平手打ちを、臀部に与える。その張りのある肉質から生まれる手応えの良さは、本当にクセになってしまいそうだ。
「なんで……? なんで、おしりを叩くのぉ……?」
「きみが、いけない子だからだよ」
「どうしてぇ……」
「僕は、知っているんだよ。きみが今日、部室で何をしていたのか」
「!?」
びくり、と背中に震えが走った。首を起こして振り向いた彼女は、驚きと戸惑いを混ぜ合わせた表情をしていた。
「タオルを忘れてしまったから、取りに戻ったんだ。そうしたらさ……」
「あ、あぁ……う……」
ぱちぃんっ!
「んひっ!」
問うた事に何も反応しなかった彼女を責めるように、大和はその尻を打った。
「あ……あの……タオル……なんだけど……」
尻を強く叩かれた桜子は、悪戯を叱られている童女のように視線を揺らして、弁明を口にする。
「お、置き忘れになってたから……そのままじゃ……いけないと思って……だから……洗って返そうと思ったの……」
「そう」
ぐちゅっ…
「あぅっ!!」
今度は花弁を突き上げられた。