『SWING UP!!』(第1話〜第6話)-124
むにゅっ、むにゅっ、むにゅっ……
餅を捏ねるように、しかし優しさを忘れず、その胸を愛撫する。
「ふ、ふくっ! んふっ、ふぅっ、ふぅぅぅっ!!」
耐えられない、という感じで桜子は呼吸を乱している。充分すぎるほどの感度が彼女の体には宿っており、それを愛する大和としてはいつのまにか加減を忘れていた。
むにゅむにゅむにゅむにゅ!
「!!!」
びくん、と体が大きく跳ねる。これまでにない猛烈な愛撫を胸に受けた瞬間、桜子は脳内が真っ白になっていた。声が叫びにならなかったのが嘘のように、腹の底から何かが込み上げてきて、気がつけばそのうねりの中に意識の全てを浚われていた。
「はぁ……はぁ……」
軽く、エクスタシーを感じた。そういうことである。
「はぁ、はぁ……きもち、いいよ……ふわふわしてる……」
愛撫がやみ、余裕を得た桜子が、恍惚とした視線を注ぎ込んできた。
「お、おっぱい、もみもみされたら……とってもよくて……ちょっとだけ、イッちゃったよぉ……」
「!」
切ない吐息が桜子の唇から漏れた瞬間、“どくん”と大和の鼓動が鳴った。その刺激は、彼女の体を愛撫していてもなお八分の硬直しか見せていなかった彼の愚息に刺激を与え、たちまちにして超化させた。
「桜子さん……」
「あ、ん……」
だが、それをいきなりぶつけてしまえば、桜子はきっと痛い思いをするだけだろう。
「服、脱いで……」
「大和くんも……」
完全に互いを見せ合って、心を許しあって……・
段階を踏んでこそ、神聖なる行為は確かな結実に至るのである。
「あ、あ、あぁ……」
薄闇の中でも、白く木目の細かい桜子の肌は美しい光芒を放っている。その肌を添うようにして大和は、首筋から走らせた舌をつつつ、と下降させていった。
「………」
そのまま豊満な胸を顎で割るようにして通過し、慎ましやかなお臍の周囲をぐるりと巡って、女の子にとって大切なものがたくさん詰まっているお腹の膨らみに優しいキスを送ってから、硬く閉ざされている太股にもくちづけた。
ぴくり、と桜子の体が揺れる。それは、おそらく、秘めてきたものを晒さなければならないという怯えも含まれているのだろう。
「脚、開いてくれる……?」
「は、はい……」
だが、大和に全てを委ねているといって好い桜子の思念は、彼の願いをすぐに聞き入れると、ゆっくりと確実に、岩戸のように閉ざされていた太股を開き始めた。
「あっ……」
出来た隙間を逃さずに、大和は両手を使って桜子の太股を更に大きく割り開く。
心細いものを、股の下に感じた。その更に下の位置に、大和の息づかいがはっきりと伝わってくる。
「恥ずかしい……恥ずかしいよぉ……」
自分の秘処を、恋しい人に晒して見せている。とても信じられない一事に桜子の胸が羞恥に満ちて、両手で顔を覆うことでもしなければ耐えられそうになかった。
「見ないで……そんなに、見ないで……」
開かれた脚はしっかりと大和に支えられていて、閉じられない。当然、自分の全てを彼は凝視していることになる。
色、形、清潔さ。“ひょっとしたら”と思って風呂場で丹念に洗ってはおいたが、果たして彼の目にはどう映っているだろうか…。