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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『STRIKE!!』(全9話)-41

 ぐちゃぐちゃぐちゃ!!

「あ、あ、あ、あ………イク………イク!…………イク!! ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――っっっっ!!!」
 これまで必死に抑圧してきたものが、晶の口から迸り出た。それを皮切りに、全身を覆う強烈な官能の爆発。
「―――――くぅっ!」
 それをダイレクトに伝える晶の膣内がぎゅうぎゅうと唸る。スキンを通しながらも、そのうねりが生む絶妙な刺激に耐えかねて、亮は堪えることもできず己が欲望を解き放つ。凄まじいまでの放出感に、気が飛んでしまいそうだ。
「〜〜〜っっっっ!!」
 身体が石になってしまったかのように、大きく仰け反ったまま震える晶。固く結ばれ、ぶるぶるとわななく両手に、彼女の中でせめぎあっているものの激しさを知る。
「――――っは! あ、はあ、はあ、はあ……」
 そんな緊張の解けた晶が、どう、と亮の胸板に身体を預けてきた。時折思い出したように内股が痙攣するのは、絶頂の名残りがさせることだろう。
「はあ、はあ、はあ、はあ―――ん、んぐ……」
 自らの息を飲み、体中を駆け巡る官能をやり過ごす。
「だ、大丈夫か?」
 あまりにも刺激が強すぎたのか。晶の荒い息づかいに、亮は少し不安になる。
「はあ、はあ、はあ――――ふぅ……」
 静かに見守っていた晶の呼吸が、平静を取り戻すまでにはしばらくの時間を要した。
「……もうッ」
 亮の胸の上で、顔を起こした晶は少し怒ったように頬を膨らます。
「亮のいじわる……まだ、イキたくなかったのに……」
「う、そうか」
 しかし、“すまない”といいかけた言葉は晶の唇によって塞がれた。短い接触の後、離れた晶の顔には優しい笑みがある。
「……ありがと」
 その謝辞がどこから出るものか。亮には掴みかねたが、晶が笑っているのでよしとしておいた。
「なんか、すっごい乱れちゃった」
「そうだな」
 それは亮とて同じこと。あんなに身体から搾り取られ、溢れ出てくるような射精は経験がないことだった。
「3日間、したくてしたくて、たまらなかった……」
「………」
 えらく、直接的なことを言う。
「だって、亮、キスも許してくれないんだもん……」
 そう言って、晶はまた膨れ顔。まるで小動物のようで、愛くるしい。
「す、すまないな」
 触れ合えないことを、言葉にはせず態度に出さず、しかし、晶は寂しい想いをしていたのかもしれない。そう思うと、自分で言い出したことが、男の勝手なわがままに思えてしまう。
 そんな考えが顔に出たか、晶はす、と顔を寄せ、軽く唇に触れてきた。
「晶?」
「あたし、野球も好きだし、亮も好き。……欲張りだけど、どっちでも満足したい。だから、けじめはつけないとダメだって、わかってる」
 そしてまた、にこ、と笑う。今日の彼女は、とても表情が豊かだと思う。そして、とてもいとおしい。
「あ」
 だから、彼女の身体をそっと両腕で包み込んだ。
「わがまま言ってるのは、俺のほうなんだよ。それなのに……ありがとう」
「亮……」
 触れ合う部分から伝わる優しさが暖かい。その温もりに、晶は泣いてしまいそうになる。とても、幸せだから…。
 賭け野球に興じていたときには絶対に得ることのできなかった、満たされた思い。そんなさくばくとした世界から、必死に手を伸ばして救い出してくれた亮の暖かさを、手放すようなことはしたくない
 だから強く、晶は彼の身体を抱きしめていた。
「………」
「………」
 お互いの鼓動を、息づかいを感じるられるように。
 静かに、ただ静かに―――――ふたりはひとつになっていた。





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