『STRIKE!!』(全9話)-273
終 章「STRIKE!! 〜TO THE NEXT STAGE〜」
「あっ、あんっ、んっ!」
相変わらず、晶は騎乗位が好きである。腰の上で跳ねる愛妻の満ち足りたような艶声を聞いて、亮も知らずその突き上げを激しくしていた。
「あ、ああぁぁぁあぁ!」
大学のときとは違い、今は一軒家に住んでいるので、遠慮なしに声を張り上げる晶。やむなく二週間ほど間が空いてしまったので、その昂ぶりも仕方のないことだろう。
「声、隣りに聞こえちゃうかもな……もうちょっと、抑えられないか……?」
「だ、だってぇ……あ、あぅ! んんぁぁぁぁあぁぁあ!」
ぐっちゃ! ぐちゃぐちゃぐちゃ!!
「そ、そんなに、激しく……あ、あああ! こ、声、我慢できないよぉッ!!」
言っていることと反対の刺激を与えてきた亮。間が空いたことで、ことさら貪欲になってしまっているのは、彼も同じことだ。
「はぁっ、あんっ! んんっ! あ、ああぁぁぁっっ!」
果てしないほど敏感になっている粘膜が遠慮なしに擦りあえば、その高まりはあっという間である。
「あっ―――………」
「?」
イク……あたし、イッちゃう……」
ぶるぶるぶる、と体が震え出した晶。
イッてもいい? がまんできない! あ、あたし、イキそうなのっ!!」
内股も大きく震わせている。それに呼応するかのように、胎内もまた微弱な震動を起こしていた。
「あ、ああ……いいぞ……」
イクっ、イクッ!!」
亮の許しを得たことで、遮っていた性の高まりを弾けさせる晶。大きく背を反らせ、体を硬直させて、その終焉を派手に知らしめながら晶は絶頂に震えた。
「う、くっ」
うねる胎内に身を沈ませている亮は、彼女を追いかけるように自らも腰を激しく振りたてて、高みを目指す。二度目の往復で奥まで貫いた瞬間、亮もまたその情欲を激しく弾けさせた。
びゅるるるるるる!!! びゅるっ! びゅくっ! びるびるびる!
「ああぁぁあぁぁ! き、きてるぅ……あつい……の……」
「う、ううぅ……」
堪りに堪っていた欲望が溢れるように射出されて、愛妻の胎内を満たしていく。相当に濃度があるものを、ナマのまま晶の中に注いでいるが、安全日や危険日などを気にしなくてもいいのは、夫婦になって久しい二人だからこそ許されることであろう。
「す……すっごいよぉ……」
恍惚と、熱く濃く大量に注がれたものを受け止める晶。
「これなら……きっと、赤ちゃんできるね……」
“今日は、いちおうそういう日だし…” 晶は官能にゆれながら、囁くように言う。
「そうか……そうだな……そうだったら、いいな……」
亮もまた、愛妻・晶の腕に抱かれている可愛い存在を思い起こしながら、いまだ止まない放出を何度も繰り返していた。
「おう、いらっしゃい!」
蓬莱亭に夕食をとりに来た、亮と晶。豪華なご馳走を用意して、しばらく家を留守にしていた夫・亮を出迎えるはずだったのだが、料理をする前に我慢できずにナニに明け暮れてしまい、結局は外食となってしまったのである。
外食といえば、行く先はこの蓬莱亭に決まっている。それは、大学時代の頃から変わっていない。
「木戸、おめでとさん!」
由梨と所帯を持ち、“蓬莱”に姓が変わった赤木がお冷とおしぼりを持ってくる。頼んでもいないのに、瓶ビールと冷えたコップがあるのは、豪放磊落ではあるが気配りも行き届く彼らしい。
「国体で優勝、しかも最優秀選手賞……相変わらず、凄いヤツやのう!!」
ほれほれ、と亮にコップを渡し、ビールを注ぎ込む赤木。その絶妙な泡立ちを生んだお手前は、さすがである。
「亮さん、晶さん、これをどうぞ」
いつのまにか海老シュウマイが乗った皿を手にしていた由梨が来ていた。晶の大好物が、オーダーのかかるよりも先に出てきたのだから、二人がすっかり蓬莱亭の上得意様になっていることを示している。
「ありがとう、由梨さん」
亮はさっそく、そのひとつを頂戴した。濃厚な海老のエキスと餡が、パリパリに揚げられた皮の歯ごたえと相俟って、非常に美味である。その後にビールが欲しくなる、全く絶妙な取り合わせであった。