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『STRIKE!!』
【スポーツ 官能小説】

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『STRIKE!!』(全9話)-269

「いいんだって、気にしなくても」
 嫌われると思ったのだろうか。そんなことは、在り得ないのに…。
「俺は、晶のことを愛してる」
「亮……」
「何があっても、だ」
「………」
 ぐ、と晶の顔が歪むと、ぽろぽろと涙が零れ落ちた。
「怖いよ、あたし……」
「ん?」
「幸せすぎて、怖い……こんなに幸せで、いいのかなって……」
「晶」
 満たされれば満たされるほど、それを失う時の怖さは大きくなっていく。人の業は果てがなく、それはいつでも人の不安を駆り立て、煽り、尽きることのない悩みの世界を具現化させる…。
 晶も、その思念に支配されていたようだ。何かのきっかけで、それらを失ってしまうことを恐れている。興奮が過ぎて、すこし、情緒を乱してしまったのかもしれない。
「あっ……」
 こういうときに、言葉はあまり用を足さない。だから亮は、その体を強く抱きしめると、その背を優しく撫でて、晶をあやした。
 試合のマウンドで輝いていたときとは、まるっきり違うその弱々しさ。傲慢かもしれないが、そんな晶の全てを守り、支えてあげたいと強く思っている。
「愛している、晶」
 その思いを全て含めて、亮は言った。
「あたしも……亮のこと、すっごく愛してる……あっ……んむ……」
 亮は、そっと晶の頤を反らせると、軽く開いていたその唇に自分のものを重ね合わせた。さきほどまで、己の陰茎が奥深くまで突き刺さっていた場所だと言うことは、念頭にはない。
 ただ、晶が安心を覚えてくれるように、優しくそして、熱くキスを送っていた。


「い、入れるね……」
「ああ」
 仰向けになっている亮。その腰のあたりに跨って、自らの指で陰唇を広げている晶。少しだけ色素が沈着している外側の部分を左右に開いているので、中の鮮やかなピンク色の粘膜が顕になっており、それが濡れ光っている様子がはっきりと亮の目に映った。

 ぬちゃ……

「んっ……」
 その部分を、張り詰めて雄々しく天に向かって吼える亮の先端に押し当てる。
「行く、よ……」
 ため息にも似た、晶の吐息。
「あ、あくぅ……ん、んん……」

 ずぶ、ずぶずぶ……

 ことのほかゆっくりと、晶の粘膜の中へ埋まっていく亮の大樹。
「ああ……」
 お互いに満たされるものが心に生まれ、バスタブの中で乱れ狂っていたときとは違う充足感に包まれた。

 ずぶり……

「は、はぁ……あふ……ん……」
 腰が、完全に密着した。晶が持っている神秘の泉に深々と浸る、亮の大幹。
 はらり、と晶の艶やかな長い黒髪が、亮の胸をくすぐった。
「あったかくて……きもちいい……」
「そう、だな……」
 恍惚の吐息と、穏やかな動悸。それが、一緒になってつながっている部分から充分すぎるほど伝わってきて、二人の心を幸福で満たした。
「亮、愛してる……愛してるよ、愛してる……」
 晶の唇が紡ぐ、激烈なる思い。


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