『STRIKE!!』(全9話)-268
ぴちゃっ……
「あ、晶っ…くっ……」
そのまま顔が突端に寄ると、彼女は舌を這わせた。
「ぬっ……む、むぅ……」
ちろ、ちろ、ちろ、と小刻みに動く舌の先。その献身的な蠢きがたまらず、亮の陽物は、さらに大きく屹立して、愛撫の心地よさを晶に伝える。
「ふふっ……はむっ……」
やにわ口を開いたかと思うと、彼女は怒張を極めるその先端を中に含み入れた。
「あ、あき……あ、ぅ……」
“フェラチオ”は随分と久しい行為だ。
「んむぅ……ちゅっ……はふっ……あむ……」
「〜〜〜………」
膣内とは違う生暖かさは、晶の吐息が亀頭に降りかかっているからで、その息づかいと舌による懸命な愛撫が、亮の官能を高みに運んでいく。
性器を相手に咥えさせているという事は、自分の急所を相手に晒し預けているということだ。亮は晶の積極的な性戯に甘え、その快楽に素直に酔った。
「ん……んぐっ……ぐぷっ……」
酔いが廻っていくうちに、晶の頭に軽く両手を添えると、亮はそのまま膣内を抉るのと同じ動きで腰を前後させる。
「ごぷっ……」
晶の喉が、奇妙に鳴った。奥深くまで先端を押し込まれたので、苦しかったのだろう。
「あ、す、すまん……」
亮が腰を引こうとする。しかし、それを追いかけるようにして晶は飲み込むように陰茎を喉の奥深くまで咥え込んだ。
「んぷっ……ぐぷっ……むむぅ……」
大きく口が開いた状態になっているので、その端からだらだらと唾液がこぼれている。呼吸もままならないから、顔を真っ赤にし眉を捩じらせているにも関わらず、晶は陰茎を飲み込むような愛撫をやめない。
「………」
吸い込まれるような感触が先端から付け根のところまで広がっていて、亮はたまらずにもう一度、腰を動かした。
「ご、ごぼぇ……」
再び、晶の喉が鳴る。しかし、今度は動きを止めずに、さらに前後の動きを細かくして、晶の口を犯した。
ごぼっ、ぶちゅる、ぶちゅ、ごぶっ……
晶の呼吸と唾液が入り混じり、奇妙な空気音が響く。その音がさらに亮の意識を昂ぶらせ、その意志に支配されるまま奥深くまで陰茎を晶の口内に差し込んだ。
「ぐぶっ、ぐうぇ!」
晶の顔が苦しげにゆがむ。
「ぐぷっ……ん、んぐっ……んむっ……」
喉の奥から込み上げてきそうなものを必死に留めて、亮の荒々しい仕打ちに耐える晶。目の端に涙を溜めながら、それでも懸命な愛撫をやめない彼女。
「………」
亮は、腰の動きを止めた。一瞬の内に支配された黒い欲望は、そんな晶の献身的すぎる姿に、やはり一瞬にして消え去っていた。喉を深々と貫く行為で、晶を苦しめて愉しもうとしていた自分が、禍々しいものに思えて亮は嫌だった。
「晶……」
頬を優しく撫でて、そのまま彼女の口から陰茎を抜く。晶が抵抗の様子を見せはしたが、それを許さないように性急に、亮は自己の分身を晶の口から遠ざけた。
口内粘膜の激烈な愛撫が物語る、濡れを極めた自己の分身。コーティングをされたように、きらきらと光っている。
「苦しかったろ? ごめんな……」
「いいのに……」
口内を、吐き戻しそうになるほど犯されても、晶は不満を口にしない。むしろそれを享受しようとしていた趣さえある。
「どうしたんだ?」
「………」
自虐的ともいえる晶の“フェラチオ”だった。だから、亮はそれが気になって、晶を優しく抱きしめると、その理由を訊いた。
「………さっき、亮に……」
「ん?」
「あたし……かけちゃったから……」
「………」
まだ、気にしていたらしい。亮は思わず口元を緩ませる。