ふたり(最終回)【それから―U】-3
「も〜〜、雰囲気台無し〜〜。」
「ははっ、俺たちってホントに障害だらけみたいだな。」
「…また今度だね。」
「…え?いいじゃん別に。」
「だめ。恋人同士がするには雰囲気が必要なの。」
「そっか。じゃ、キスの代わりに……」
「キスの代わりに?」
「好きだよ。エリカ。」
エリカの頬がカアッと赤くなる。
「あ、あたしも……ユキっ!!」
エリカはユキに抱きつく。そして……
チュッ
……なんとも強引にキスをした。
「「 ……… 」」
「あれっ?雰囲気は?」
「だ、だって……我慢できなかったんだもん」
真っ赤な顔で俯くエリカ。
ユキはニヤッと笑って、両手でエリカの頬を掴み、引き上げた。
「今度は俺の番な。」
ユキはエリカの唇に、優しくキスをする。
息が続く限り、ふたりは唇を重ね続けた……。
「ふたり」
終わり