俺と俺様な彼女 〜10〜-3
「くぅ。」
ドキドキドキ
お、起きるなよ〜。・・・あとちょい。あぁ、ち、近い。可愛いぞちくしょう。
「ん、んん。」
がたっ、ずざぁ!!
「ふぁ。」
「・・・」
「あ、ごめんなさい、ちょっとうとうとしてた。」
「い、いえ。もう永眠するかのごとく寝てもらっても全然構わないんで。」
「?これもらっていい?」
「ど、どうぞどうぞ。もう浴びるくらい飲んでくれていいんで。」
「・・・なんか顔赤いわよ。」
「き、気のせいですよ。」
「・・・」
がしっ
「のわ!?」
「あんた私が寝てる間に何もしてないでしょうね?」
「め、滅相もございません。」
「もし少しでも変なことしてたら・・・」
「し、してたら?」
「人間が痛覚を持ってることを後悔させてあげる。」
・・・やばい、ちびりそう。この目はやばいわ。小さい子が見たら泣くよ、先輩。
「・・・」
「・・・」
「まぁいいわ。さっさと勉強しなさい。」
「は、はい!!」
親父、心配すんな。そんな妙な気持ち微塵も起きねえわ。起きた瞬間俺死ぬから。
「じゃあ、また明日ね。」
「そうですね、明日もあるんですね。」
「何よ、その顔は?」
「いえ、俺テスト終わるまで発狂せずにすむかなぁって。」
「大丈夫よ、一歩手前で止めるから。」
「一歩手前までは行くんですね・・・」
「じゃあね、おやすみ。」
「おやすみなさい。」
「母さん、俺寝るわ。」
「そう、おやすみなさい。」
「親父大丈夫?なんかぶつぶつ言ってるけど。」
親父は放心した顔で『俺の三万円が』とかつぶやいていた。
「大丈夫よ。人間って結構タフだから。」
親父、俺らの家系の男ってみんな女運悪いのかなぁ?
「明日も保奈美さん来るの?」
「来るよ。」
「そう、じゃあ明日はお寿司とるから楽しみにしててね。」
すげぇや、ここまで元手がはっきりわかる金もそうはねえだろうな。
〜十日後〜
「終わった。」
やっとテストが終わった。これであの地獄から開放される。他の奴らも嬉しそうだが俺ほど喜びを噛みしめてるやつもいるまい。
「お疲れ。」
「みんなうれしそうな顔してるけどあんたほどではないわね。」
「当たり前だ。この十日間はある意味受験の時よりも頑張った。」
「それで、できたのか?」
「ああ、自己最高記録は固いな。」
あんだけやれば嫌でもそうなるって。
「そっか、じゃあテストも終わったしみんなでカラオケでも行こっか。」
「すまん、俺は帰って寝るわ。まじで倒れそう。」
「そう?じゃあ、また今度にしましょうか。」
「すまんな。」
「気にすんな。じゃあな。またメールするよ。」
「ああ。じゃあな。」