俺らの明日FOURTH-2
「何でお前らもいるんだよ？」
「暇だし。」
「登録してねーじゃん。」
「非正規雇用なんだよ。」
「俺はフリーエージェント。」
「言っとくけど全然格好よくないからな。」
「だいたいバレたらどうすんだよ？」
「こんだけ居るんだ。バレないよ。」
「敵さんも同じことしてるしな。」
「もはや力勝負じゃなくてどんだけ人を集められるかだな。」
「俺さ、綱引きでいっぺんしてみたいことがあんだよ。」
「なんだ？」
「力が均衡したときにさ、片側の全員が手を離すんだよ。」
「・・・大惨事だな。」
「まぁ、見てみたい気もするな。」
「それでさ、一人だけ離すタイミング間違えて空舞うんだよ。」
「お前どんだけ細かい設定なんだよ。」
「実際になったら爆笑もんだけどな。」
「だな。」
「それがさ、俺のささやかな夢。」
「本当にささやかだな。ささやかすぎて涙でそうだよ。」
『それでは座って縄から手を離してください。』
「馬鹿なこと言ってる間に準備できたみたいだな。」
「まぁ、頑張ろうぜ。」
「頑張れよ、賢治。」
「ああ。」
『ピィーー！！』
「うるあぁぁーー」
「ふん！！」
「らぁっ！！」
「しゃーー！！」
「ぐ、うらぁ！！」
「ふんぬ！！・・・ぷぅ。」
「てめえざけんなよ！！」
「屁こいてんじゃねーよ！！ぶっ殺すぞ！！」
「力籠めたらつい。」
「駄目だ、笑って力が出ねえ。」
「やばい！？引かれてる！！」
「ふぬーー！！・・・ぷぴ〜。」
「帰れーークソ野郎！！」
「まだそこまでいってねーよ！！」
「じゃかましいわ！！この変態！！」
『パン、パン！！』
「てめえ負けちまったじゃねーか！！」
「俺のせいかよ！？」
「当たり前だボケナス！！」
「何がフリーエージェントだ！！死ねぇ！！」
「帰れ疫病神！！」
「ごめんなさい。」
「あ〜、なんかすっげぇだるい。」
「誰のせいだろうな。」
「な。」
「・・・」
「次なんだっけ？」
「騎馬戦」
「お、俺らの出番じゃん。」
「うし、いくか。」
「誰が乗る？」
「哲夫以外な。」
「別に構わんが何でだ？」
「お前が上に乗ると重戦車になっちまう。」
「というより動けない。」
「騎馬戦において致命的だな。」
「誰いく？」
「宮本行けよ。」
「お、わかった。」
「賢治先頭な。」
「何で？」
「一番危険だから。」
「待てコラ。」
「それでさっきの綱引きちゃらにしてやるよ。」
「・・・いいだろ。」
「行こうぜ。」