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紅館の花達
【ファンタジー 官能小説】

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紅館の花達〜転生花〜-1

光が差し込み、紅館に朝が来た。
『…ん…朝…?』
目が覚めてベットの上。徐々にはっきりしてくる視界。
だが、視界がはっきりする前に手に暖かさを感じた。
『・・・?』
ぺたぺたと触って感触を確かめていると、視覚の回復が追い付いた。
『あっ、紅様!』
まだ眠っている紅様。 もちろん何も着ていない。
そうだった、私は昨日紅様と…
昨日のことを思い出して、自然と赤面になってしまう。
『・・・』
そそくさとベットから起きて、服を着る。
『・・・』
着終り、再びベットに寄り寝ている紅様を見つめる。
無邪気そうな寝顔…でもHの時はちょっと意地悪で、それで、それで…
また昨日を思い出して、一人赤面になる…

良く寝ているようで、起こすのも悪いと思い一人で部屋を出る。

廊下では、すでに何人かがメイド服を着て、掃除をしていた。
メイド達は私を見つけて、こちらを見ている。
『おはようございます。』
『おはよう。』『おはようねぇ〜、シャナちゃん♪』
一人は長身の女性。たぶん人間さん。長い黒髪で無表情なせいか、少しきつそうな印象がある。
もう一人は対照的で、子供位の身長をした猫の獣人さん。
青色のショートヘアと猫耳。明るい笑顔が好印象だ。
『名前…覚えてくれたんですね。』
『うん、だってゆ〜めいじんだもん♪』
獣人の方が窓を拭いていた雑巾をポイと投げて近付いてくる。
『ゆ、有名人?』
『そ、ゆ〜めいじんだよ〜 シャナちゃんはゆ〜めいじん♪』
私は戸惑ってしまった。有名人と言われるようなことを何かしただろうか?いや、していないはず…
『あの…何故私が有名人なのですか?』
『んとね〜』
『…ゼロ、私は先に行くから。』
長身の女性は獣人さんにそう言うと、さっさと歩いて行ってしまった。
『ありゃ…スーちゃん怒っちゃった…
ん〜なんでゆ〜めいじんかと言うとねぇ。
シャナちゃんご主人たまとエッチしたでしょ?』
はぅ…っと心の中でリアクションを取った。
やはり昨日の声が聞こえていたようだ。
『えと・・・はい・・・しました・・・』
もうばれているなら仕方ないので肯定する。だが、語尾はとっても小音量だったが。
『ニャハ♪ シャナちゃん顔赤い〜♪
でね、でね〜 ホントびっくりだよ?
ご主人たまがアルちゃん以外とエッチするなんて。
だからゆ〜めいになったの、シャナちゃんは。』
アルちゃんとは、アルネのことだろうか?
話には聞いていたが、紅様は自分の奴隷やメイドに手を出さないようだ。
でも、何故私には?しかもここに来て最初の夜に。
『あ、そーそー、シャナちゃん。
あんまりご主人たまにベタベタしない方が良いよ〜
ご主人たまに抱かれたい子いっぱい居るから。』
ちょっと小声で、『スーちゃんもその一人だよ。』と付け加えた。
なるほど、だからスーは急に帰ってしまったわけだ。
『はぁ…わかりました…』
しかし、シャナは心の中でこう思っていた…
でも、私がベタベタしなくても…

『シャナ、味はどう?』
食堂での朝食。席は昨日と同じ。 紅様は五秒に一度のペースで私に話しかけてくる。
…私がベタベタしなくても、紅様がするもの…
『シャナ、どうしたの? なにか考え事?』
貴方のことです…紅様…
紅様が私に一言かけるたびに、私は決して良いとは言えない視線を感じるのだ。 それも不特定多数…
そしてアルネに至っては表情こそ平然としているが、時折向ける視線は憤怒に近い…
その視線は私に対するものか、あるいは紅様に対するものか…?

『はぁ…』
どうにも落ち着けない朝食だった。
『シャナちゃ〜ん♪』
一人で廊下を歩いていると、後ろから元気な声が聞こえてきた。先程の獣人さんだ。
『ゼロさん。 もう食べ終ったのですか?』
だが、返事は帰ってこず、ゼロは笑顔のまま走ってくる。
『とぅ!』
『キャッ!』
全速で走って、そしてに飛び付いてきたのだ。
ゼロは小さい体だが、私も小柄な体。勢いのまま倒れこむ。
『ん〜シャナちゃんのおっぱい柔らか〜い〜♪』
抱きつかれたまま倒れこんだ。 ゼロは私の小さめな胸に頬擦りをしている状態になった。
『え? ちょ、ちょっとゼロさん?』
突然のことに私は唖然としてしまう。 そんな私を尻目にゼロはむくりと顔を上げた。
『ん〜、シャナちゃん美味しそう…』
『ふぇ!?』
思いもよらぬ言葉についすっとんきょうな声を上げてしまう。


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