宿命-1
失う物なんて…俺にはもう、何もない。
生きていく希望も、あの時絶望に変わった。
いつ死んでも構わない。
まぁ…もっとも、俺は死ねるかどうかも危ういけどね。
だって俺は普通の人間じゃない。
…俺は吸血鬼だから。
―宿命
『吸血鬼』だという自分の本当の姿を受け入れられずに、俺は自暴自棄になっていた。
「君…何してるの?」
クラブの外に腰掛けていると、今にもパンツが見えそうなくらいのミニスカをはいた女が声をかけてきた。
「…別に」
獲物が向こうからやってきた喜びを必死で隠して、冷めた顔で俺は言った。
「クラブ行ってたの?」
「うん」
俺は興味なさそうに答える一方、視線を上から下に視線を動かす。
「あたしももう飽きちゃったんだ♪」
よいしょっと、その女は俺の隣に座る。
「逆ナン?」
「あはは〜♪そうかもね〜」
女はゲラゲラと、本当に楽しそうに笑う。
「君の名前は?」
「…雅人。」
「雅人かぁ〜。イイ名前だね。」
女は髪をいじりながら、俺の顔を覗きこんだ。
明らかに顔の良し悪しを判断している。
「…歳は?」
どうやら俺はこいつのヒットゾーンらしく、女はにまっと笑って俺に歳を尋ねた。
「いくつに見える?」
俺はいかにも冷静に振る舞って、裏では今夜のご馳走に身体中の血を沸き立たせた。
「それって、普通あたしが言うセリフじゃない?」
俺は空を仰ぐ。
空には月が不気味に輝いて、俺の中の何かに共鳴しているかのようだった。
(今日はコイツに決めた…)
バスト、ウエスト、ヒップ、顔、悪くない。ただちょっとバカそうだが、ブスよりはイイだろう…。
俺は薄く笑う。
「…雅人」
「ん?」
「その顔好き…」
女は俺の上に股がって、唇を合わせた。
「…ホテル行こう。」
女が耳元でそう呟き、俺の耳たぶを唾液で絡める。
「俺を満足させられんの?」
俺は女を上から降ろした。
「あたし、手だけでイカせされるよ?ね、だから行こ…」
(コイツ…ソープ嬢か。風俗の女の血は美味くはないけど、まぁいい…)
「いいよ。」
寝床と血さえ与えてくれるなら、俺は何も文句は言わないし、ソレなりに奉仕はするから…だから誰も文句を言わせない。
俺は女の手を取った。
「今夜はよろしく…」
―…
「ねぇ、雅人。本当にいくつなの?」
ホテルに着くと、女は慣れたように俺の服を一枚ずつ脱がせていった。
「あら、イイ体…」
女は男も感じるポイントを刺激しながら、俺の体を物色する。職業柄だろう。
「19歳か…20歳くらい?」
いやしい指使いに、不覚にも声が出そうになる。
「俺、そんなに老けて見える?」
「じゃあ…18とか?」
「違うよ…」
俺はククッと喉を鳴らせた。
「キャッ!!」
俺は女をベッドに押し倒した。女に攻められるのは悪くないが、性に合わない。
「俺16。」
「え!?嘘…」
「嘘じゃないよ。今年高1だし。」
俺は女の服を荒々しく脱がし、愛撫を始める。
「嘘よッ…あッ…んん」
「嘘じゃないって言ってんじゃん」
「や…だって雅人、ウマいよ…」
「…歳は?」
俺は女の陰部に指を入れ、スピードを速く動かした。
「はぁんッ…」
指を出し入れすると、ぐちょぐちょっと愛液が滴り落ちる。
「いやっ…そんな激しくッ…」
女はくねくねと快感に身をよじった。
「聞いてんの?止めちゃうよ?」
「や…めないでぇ…。言うからぁ…。あたし…21歳だよ…」
「ふ〜ん…」
「ッ!!!」
指を一気に3本に増やして、それを奥まで突っ込むと、女はビクッと大きく痙攣し、体を硬直させた。
「イったね…」
俺は女の割れ目に自分自身をあてがう。
「まだ…気絶なんてさせないよ…」
―ズンッ