*HeartBreak...of..*-1
まっすぐあなたの
瞳を見たら
今度は二度と
貴方の瞳を
見れなくなった…
〜1st〜
一生のうち、流す涙の数が人によってでもいいから決まっているのなら
もう私
あの日で半分を流してしまったのかも知れない。
雨の香りとボヤけた視界…本当は今でも夢に見るの。
ごめんとあやまる貴方と問いかける私はあの日のただの思い出として残されればよかったのに。
私にとっても、きっとあなたにとっても大事な日だった。
でも、どうしてだろうね。イヤじゃなかったの。あの日の感覚がまだ残ってる。耳の熱さ、ぼぅっとする視界、クラクラする香り…再現できるから。
ただあれから何日経っても忘れられなかったの…
〜出逢い〜
あの人が引退した。
ただ時間の流れだからしようがないと分かってた。
でも寂しかった…
悲しかった…
私は吹奏楽部、
コントラバスパートの藍沢瑠依(あいざわるい)で高校1年生…只今絶望の淵にいる。
事の起りは中学2年であの件がなかったら私はあなたを好きになった事実を消すことが出来たのかも知れない。
あの夏の日…まだ暑いのに夏服は着てはいけなくてみんな長袖だった体育館。
また今年も転校生がやってきていた。
中学に入って転校だなんて可哀想に。
隣にいる男子から情報が入ってきた
〃うちのクラスの転校生は眼鏡の二人だ〃
どうやら前に七人並ぶ転校生の右から一番目と二番目がうちのクラスにくるらしい。
ショートカットの眼鏡の女の子、性格は割とキツメかな。
それと、どこか悲しそうな表情の男の子、身長がすごく高かった。
何故かその時は穏やかすぎる程、穏やかだった。
だって私は天宮和人(あまみやかずと)が好きだったから。
…天宮和人は大人っぽい気がただよう理想の男の子だった。
一生ずっと和人が好きと思ったからね。
次の日…
私は社会係をやっていた。大好きな先生と仲良くなれるし。一人だったから気楽だった。
「杉浦はどこの係にいれようか…」
担任の先生が言った。
杉浦歩(すぎうらあゆむ)
それが背が高い転校生の名前だった。