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あおぞらと君へ。
【純愛 恋愛小説】

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あおぞらと君へ。-2

「ふっきれたから、別れようなんて勝手かもしれない。卑怯かもしれない…けど、おばさんーおまえのお母さんにも言われたよ」
オレが午後にくる理由の一つ。おまえの家族が朝来るから。別に会いたくないってわけではなく、あの頃のオレはそんな人前で泣く勇気がなかったから。
ここに来たとき、お参りを終わらせて帰るとこらだった。その時に『もう、いいですよ。こんなに想われてあの子も幸せでした』と、穏やかな顔で言われた。
「オレそのとき思ったんだ…ああ、今はもうおまえを幸せにすることは出来ないんだな、って」
それは、おばさんなりの無意識の本音。
『生きているあなたにはもういないあの子をいつまでも想っていても救われない』
「だから…さ。おたがいスッキリしようぜ」
別におばさんの言葉に落ち込んだわけではない。ましてその言葉に救われたからでもない。
思い出したから。あの日おまえが嬉しそうに言ったあの言葉。
『わたしが次生まれ変わるんなら、大きくてやさしいあの青空みたいになりたい』
晴れわたる空のような笑顔で。
だから最後のオレからのーおまえの彼氏からのわがまま。聞いてくれるか?
おまえを縛っていたこの気持ち。その思いを解く。だけど決して悪くない想い。
独りになる怖さから引き止めていた。それは今やっとオレの手をするりと抜けて、宙に浮かぶ。空にとける。
もうその姿は見えない。けど、思い出に変わる前に君へ。
オレは空を仰ぎ、言った。
「サンキュ」
このあおぞらと君へー。 END。


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