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【魔術師】の戦いと受難
【ファンタジー その他小説】

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【魔術師】の戦いと受難 いち 〈中〉-3

「・・・こ、殺される?それも確実に?」
「あぁ。二人で逃げるとして、狙われてるのはお前だ多分お前が追われる。だから俺が応戦してお前が美袋さんを呼んでくる。それが一番だ。」
わたしの質問に顎はそう返した。そして、
「三十分」
って言った。わたしは意味が分からず
「三十分って何。どうゆう事?」
と聞き返していた。
「・・・三十分だけならコイツを何とか出来る。その間にお前は美袋さんを呼んできてくれ。」
そう言っている間も顎は化け物から眼を外さなかった。
「・・・二人で逃げられないのは分かった。でも、何でアンタが残んのよ!わたしより強いって思うの?」そうだ、わたしが顎を助けないと。なんたって【魔法使い】の卵なんだから。
「・・・あぁ、その通りだ。【魔法】を使うお前より【魔術】を使う俺の方が闘いには適している。」
・・・・・言葉もない。確かに奇跡を起こすだけの【魔法】より元々【魔法戦術】と言われてた【魔術】の方が闘いに向いているはずだ。・・・でもそれじゃぁ
「・・・・それじゃぁ、アンタを、助けられないじゃない!」
叫ぶわたしにアイツは
「・・・はぁ、この状況でこそれかよ。あのなぁ、美袋さんを連れて来てくれた方がよっぽど助かる。」
・・・助かる。わたしでも顎を助けられる。
「なんか納得出来ないけど。・・・美袋先生を呼びに行ってくる!」
言うが早いかわたしは学校へ向かって走り出した。



「大丈夫だ。何があってもお前だけは助けるよ。」
雫が走り出してから俺はアイツに聴こえないように呟いた。
「さて、・・・アイツが学校に着くまでの十分、相手してもらおうか。」
俺は眼と両腕に【魔力】を集中させた。・・・よしっ準備万端、何時でもGOだ。



獲物が逃げた。・・・アイツ邪魔、追えない。・・・・・っ!!【魔力】、とても強い【魔力】。コイツから?・・・グフッ、グフフッ。逃げたのもう良い。コイツを喰おう。


化け物が腕を振りあげ俺に襲いかかる。
「トロくせぇ!!」
大振りなせいでがら空きになった腹に【魔装甲(エンチャント)】した拳を螺子込む。
「ギィィィィイッ!!」
効きはするみたいだな。
「もう一ちょっ!!」
もう一発ボディに叩き込込んだ。・・・が、
「なっ!しまった。」
化け物に見舞った必殺パンチはしっかりと腹にめり込んではいたが、肘が伸びきった所で手首を掴まれてしまった。
「グッ、ギィィィイァァァ!!」
化け物は苦しみながらも空いてる方の手を槍の様にして真っ直俺を突き刺そうとした。狙いは俺の胸・・・心臓に向かって。
「・・・・・約束、守れねぇな。」



はしる。走る。疾る。
「学校、まで・もう・・少し。」
時計を見るとあと少しで十分ってところ
「大丈夫だよね?アイツ。」



化け物の腕は正確に俺の心臓を貫いていた。・・・いや、掴みとっていた。
「舐めんなよ化けもんがぁ!!」
俺はありったけの【魔力】を掴まれてる腕に込めた。「手目ぇも俺も、もう終りだ!!」


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