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きみのとなりへ
【純愛 恋愛小説】

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きみのとなりへA-1

彼らの歌はすごく心に染みる

『きみのとなりへ』〜沙癒side〜

最初は友達に連れられてなんとなく行ってみただけだった。

でも、彼らの歌、とくに歌詞がすごく心に染みた。

それから毎週水曜日、バイトの前の2時間、彼らの歌を聞きに行くようになった。

彼らは結構人気者だった。

背が高くて整った顔、笑顔が爽やかでトークもおもしろい誠二くん。

背が小さくて中性的な顔、優しい笑顔で口下手な一平くん。

彼らは歌もいいけどルックスも抜群で、人気者になるのもしょうがないって感じだった。

そういう私はというと、九州人らしい濃い顔、太ってはないけど痩せてもない体型、かなり普通…

そんな私だから、彼らの歌を聴くだけ。他の子達みたいに、ライブの後に彼らと話したり、何かプレゼントしたり…そんな事できない。

歌を聴けるだけで幸せだった。


でもあの日、いつものように彼らの歌を聴きに行って、それからバイトに行った。すると、レジに一平くんが来た。

「あれ?」

「あ…」

驚いて思わず声を掛けてしまった…ヤバい!私の事知ってるわけないのに…

でも、思い切って

「こんばんは」

と言ってみた。き…緊張する。

「あ…ゎ…こんばんは」

…どもった。誰こいつ?って感じかなぁ。やっぱり声かけなきゃよかっ…

「…あの…いつも見に来てくれてありがとう。」

えっ!

うそ…私が来てるの知ってたんだ。

私は嬉しくなってしまった。

「ううん。毎週楽しみにしてるんだよ!」



それから一平くんはちょくちょくそのコンビニへ来るようになった。水曜日のライブの後は必ず来る。

「こんばんは。」

「こんばんは。」

ただ挨拶をして、ちょっと喋って、それだけで幸せだった。


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