fantasy ability・7‐始まりを知らせる“鐘の音”‐-7
「皇!」
織音が駆け寄ってくる。
「‥‥皆は?」
「‥‥えっ?」
〈ヒュン!〉
皇希は織音を斬りかかるが、織音は避ける。
「‥‥幽魔だっけ?もう、その姿で俺に近寄るな!本気で殺すよ?」
皇希は冷酷な顔で言う。すると、織音が那奈夜の姿になる。
「恐い、恐い。そんなに私が彼女の真似て悪いかしら♪」
「‥‥ああ。」
「ふ〜ん♪そこまで、彼女が心の支えなんだ?」
「!?‥‥まさか!」
「ふふふ♪そのまさかよ?」
‐一方、玄関側の庭‐
全員、身体中の至る所に傷があり、そこから血が滲(にじ)み出ている。
全員は家を背後に三方向から敵に囲まれていた。左右には手下、そして正面には誑笥が居た。
「‥‥ハァハァ、くそっ!奇襲攻撃とはやられたぜ!」
「くっくっくっ!そうだろうな、神城 凰輝!」
「‥‥‥」
「‥どうしたんだ?」
凰輝は無言になり、他の皆も無言になった。その様子に不思議に思った誑笥は近寄る。
〈ドカン!〉
と、急に家の後ろからデカイ音が鳴った!
〈ヒュン!‥〉
何かが誑笥を目標に飛んで行った。
〈カギィン!‥‥ザクッ!〉
誑笥は持っていた剣で弾く。それはクナイだった。
「‥‥何だ?」
誑笥の目線がクナイに向いた時、家の後ろからまた何かが飛んで行った。
〈タン!‥‥ヒュン!‥ギィン!〉
それは無傷の皇希だった!皇希は向かうと同時に、誑笥を斬りかかったが、誑笥は冷静に弾き返した。
「ほう、貴様か。那奈夜はどうした?」
「さぁな。」
「‥‥‥」
誑笥は無言で皇希を睨むが、皇希は知らん顔だった。
〈シュン!〉
「ハァハァ‥‥、参ったわ。彼、強すぎよ!」
と、誑笥の後ろ傷だらけの那奈夜が現れた!誑笥はちらっと那奈夜を見て、皇希へと視線を戻す。
「‥‥‥」
「‥‥‥」