fantasy ability・７‐始まりを知らせる“鐘の音”‐-6
「皇希君、君は“力”は入らないと前に言ったのは、嘘かい？」
「それは嘘ではありません。‥‥ただ、この無意味な“戦い”を、終わらせる為には、“チカラ”が‥いえ、俺の‥‥」
〈ジリリリリ！〉
急に神城家の警告ベルが鳴る！
いきなり鳴ったベルに、全員が激しく動揺し慌てた！
「っ！誠慈さん、後ろです！」
皇希のこの言葉で、誠慈が素早く長剣を出し、急に現れた後ろの敵を斬る！
〈ヒュン！ザクッ！‥シュバッ！〉
辺りに敵の新鮮な血が吹き出す！だが、敵はその一体では無かった！次々に現れる！
「くっ！なんだ、こいつらは？」
誠慈はなんとか倒すが、一体、また一体と間隔を開けずに現れる！
と、皇希は司義莉、凰輝、織音と順に見た後で、急に叫ぶ！
「これがそうなのか、三人が知っていた“鐘の音”は！！」
すると、織音が敵と戦いつつ叫ぶ！
「っ！そうよ！これが、“鐘の音”の真実よ！！‥‥梛！テレビの電源を入れてみて！」
「っ！‥‥はい！」
織音の言葉で、梛は敵の攻撃をかわしつつ、なんとかテレビの電源を押す！
次の瞬間、司義莉、凰輝、織音の三人以外が激しく動揺する！
何故なら、テレビの画面には全世界、全国で無差別的な攻撃をしている敵が居たからだ！
その様子を必死に映していたカメラマンも、殺される。地に落ちたカメラは無情にも子供や老人、男性や女性を無差別的に殺している敵を終始、ただ無言で映していた。
と、凰輝が叫ぶ！
「っ！くそっ！このままじゃあ、会話が出来ん！」
〈ヒュン！ギィン！カキン！ヒュン！ヒュン！ギィン！カキン！ギィン！‥‥〉
そう、至る所で金属音が鳴り響いたのであった！と、凰輝が大声で叫ぶ！！
「くっ！皆！！外に出ろ！‥‥皇希君、済まないがこの家ごと、敵を倒してくれ！」
「しかし！！」
「いいんだ！まず、今の戦況を直すんだ！！」
「‥‥わかりました！」
「皆、外に行くんだ〜！！！」
凰輝の言葉で皇希以外が外に出た！すると、皇希が詠唱を始めた！
「神聖たる土の光よ！混沌たる土の闇よ！全てを呑み込め！グランド・リターン・オブジェクト！！‥‥空間干渉転移召喚魔法陣展開！大気よ！我を外に！」
〈シュン！〉
皇希は中庭に出た！と、皇希が先ほど立っていた所に違う魔法陣が出現した！
その直後、それを中心に地面が割れていき、敵はもちろん、机や椅子、食器等が地面の下にあるマグマによって熔けていった。