Beside You〜幼なじみ6-1
こんなこと言うと、おかしいけど、「遠距離恋愛」ってなものに慣れてきた気がする。
東京生活も、いつの間にか5ヶ月目。
季節は夏。
隆志がそばにいないのは、もちろん今でも寂しいけど。
毎日恋しいって思ってるけど。
あれ、確か宇多田ヒカルの歌にもあったな。
「会えない日の恋しさも、そばにいる愛しさも同じくらいくせになる」
ってヤツ。
今、あたし・長谷川由佳の気分は、そんなかんじ。
隆志に会えない寂しさも、次会える日の原動力になる。
そう!!
あの蜜日から、すでに2ヶ月。
季節は夏休みや!!
夏休みやって言うても、ちょこちょこ大学に顔を出している。
資料を探しに来たり、講習に出てみたり。
今日も図書館で、課題をするための資料を漁っていた。
「あれ、由佳じゃん」
後ろから、いつもの声。
なんで、コイツあたしのいるとこわかるんやろ。
「高野君、あんたも暇やなぁ。」
振り返ってイヤミ。
いいヤツだけど、なんとなくあたしの警戒心を刺激する。
「由佳こそ。なに、資料探し?」
高野君は如才なく笑い、あたしの手元に目をやった。
「うん。見つかったし、ぼちぼち帰るわ」
「じゃあさ、ちょっとお茶でもしない?どうせ時間あるんだろ?」