Beside You〜幼なじみ6-4
「由佳、お帰り〜。元気そうやなぁ。ちょっと太ったんちゃうん?」
母のありがたいお言葉がお出迎え。
「いきなりそれかい。太ったかなぁ、あんまり甘いもの食べてへんけど」
スーツケースを置いて、まずシャワーを浴びた。
隆志はまだ大学なはず。
バスケしてる隆志を、久々に見たかった。
隆志のいる大学まで、家からだいたい1時間。
うわ、ドキドキする。
久しぶりやな、隆志がボール追っかけてるの見るの・・・
隆志の通う大学が見えてきた。
迷いながらも、体育館へ着く。
ボールの音。
声。
覗くのがいいのか悪いのか、ためらいながらも近づいた。
だいたい、まだ1年ボーズの隆志に声なんてかけれるのかな・・・
そのとき、扉が開きジャージ姿の女の子が出てきた。
マネージャーだろうか。
思わず見ていると、彼女と目が合った。
「誰かお探しですか?」
鈴の鳴るような声ってこういうのを言うのか、と思うくらい可愛らしい声。
よく見たら、イマドキの「モテ系」。
声だけじゃなく、顔もほんまに可愛い。
雑誌に出てきそう・・・
こ、こんな可愛い子が隆志のそばにおるん!?
「あ、あの、隆志・・・いえ前田くんを…」
前田くんなんて、初めて発音したわ、なんて妙に恥ずかしがっていると、
「もうじき練習終わると思いますよ。」
と、にっこり笑った。
うっ・・・まぶしい・・・
その言葉通り、あたしの後ろで「おつかれっしたぁ!!」と怒号が響いた。
「モテ子」は、ほらねと笑うと
「呼んできますね」
と体育館の中に入っていった。