Beside You〜幼なじみ6-3
「それでもいいよ。遠距離、寂しいだろ?人恋しいときもあるだろ?そんなときにおれを使えよ」
「何ゆうてんのよ、使うって・・・」
「セフレでもいいよ。何でもいい。お前が欲しい」
昼間のスタバでいうセリフじゃない!!
「カンベンして。ほんまにあたし、そんなんムリやから」
「おれに、1ミリの入る隙もないの?」
高野君は、あたしをまっすぐに見詰めた。
「・・・ないよ・・・」
そう言うしか、ないやん。
荷造りをしながら、ぼんやりと高野君の事を考える。
びっくりした。
今まで、何人かに告白されたことはある。
でも、(性格悪いけど)だいたい相手の気持ちは、言われる前からわかってた。
なんとなく気付くものがあったし・・・
高野君にそんなもの全然感じなかった。
いつも、ちょっとふざけて、笑って話して・・・
なんか・・・隆志に顔合わせられないなぁ・・・
だって、ちょっとときめいてしまったなんて、言えない。
久々の大阪は、東京よりずっとずっと暑かった。
大阪特有の、ジメジメした暑さ。
ここで育ってるからこれが普通やけど、同じ都会でもえらい違うもんやねんなぁ。
新大阪から乗り換えて、あたしは実家に戻る電車に乗り込んだ。