Beside You〜幼なじみ6-2
高野正樹。
いわゆるイケメンで、結構人気がある。
隆志オンリーのあたしにとってそこは全然どうでもいいけど(ノロケです)、彼の描く絵はすごい。
表現力がものすごいのだ。
絵を見ると引き込まれる。魂が引き込まれる。
そんな人は初めてだった。
同い年で、尊敬出来る貴重な友人だ。
高野君と駅前のスタバに入る。
「由佳は帰省しないの?」
「するで。あさって帰るねん」
「へぇ、じゃあ彼氏と会うんだ」
「そりゃね。お隣同士やし」
冷たいフラペチーノをすすった。
帰省するけど、隆志は毎日殆ど練習やって言ってたな・・・
それでもいい。
大阪に帰って、隆志のそばにおれることが嬉しいねんから。
「もしかして、幼なじみってやつ?すげーな。付き合い長いんじゃん」
「ゆうても、付き合ってまだ1年たってないけどな。でも、生まれたときから一緒やで」
高野君は、へぇと言ったきり黙りこんだ。
・・・な、なんや?
「ちょっと、なんで黙るんよ」
テーブルに置かれた彼の手を、ちょいちょいと突付く。
いきなり、高野君の手が動いてあたしの手を握り締めた。
「えっ・・」
「由佳、おれ結構お前にマジなんだよ」
「へ」
高野君は手を握り締めたまま、あたしの目を射るように見つめた。
「すげぇ気になるんだ。由佳のこと。大阪の彼氏のとこになんか、帰したくない」
「ちょっと、高野く・・・」
「好きだ、由佳」
ちょっと待ってよ!!
なんなん、この展開!?
いきなりすぎませんか!?
「高野君、悪いけどあたしは彼氏のことめっちゃ好きやねん。ムリ」
誰に何を言われたって、隆志を好きな気持ちは変わらない。
だって、どれだけ片思いしてきてると思ってんだ。