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あたしにとってのふたり
【幼馴染 恋愛小説】

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あたしにとってのふたり-2

「調子乗り過ぎ」
ギリギリギリ………
「いぃ〜〜だ〜い!! 待ぁって!! ギブ! ギブぅあぁ!!」

‥あ〜あ、もっとこのままでいたかったのに‥。
そいつはあたしを離してヒドイコトになった耳をスリスリさすっている。

「‥なんか言わなきゃいけないことがあるんじゃないの?」

「テンション上がりすぎました。ごめんなさい」
「よしっ。」
そしたらそいつ、近付いてきて耳元で一言
「ふたりっきりになるの久々だったから」

━━ボゥッ//
再点火。もう声も出ない。
‥なに!? こいつ今日、すごい挑発的!

‥‥‥‥‥
‥かと思ったら急に訪れる沈黙‥‥。

チラッとそいつを見てみると‥‥ありゃ、顔真っ赤っ赤。自分で言っといてそれはないでしょ。ぷぷっ、拍子抜けしちゃった。
‥これは形勢逆転ですな。
クスッと笑ってこいつが一番嫌いな言葉を浴びせてやる。
「かわいい〜〜」
そしたらそいつ、もっと顔赤くして
「か、かわいいって言うな」
‥さっきの勢いはどこへやら。
ふいっとそっぽを向いてオドオドしてる。

『やられたらやり返せ』
お母さんがよく言う、あんまり好きじゃない言葉‥‥わっかりましたぁ!
仕返ししてやる。イジリ倒してやる。
‥‥覚悟!!

「あっ、ひ、人来たからっ、行こっ」
そいつは公園の入り口を指差す。
‥むぅ、あれは同じ学校の生徒か‥‥確かにまずい。

「まぁいっか。歩きながらでも」

━━ハッ!
‥‥しまった!
つい思っていたことを口に出してしまった!

そいつは2秒であたしの言葉から危険を察知して、『ダァンッッ!』と物凄い強さで地面を蹴り、恐るべき速さで走り出した。

「ちょっ、それは反則〜〜!!」

‥あたしがどれだけ走っても追い付けるわけないわけで‥。
‥どんどん距離が離れていく一方なわけで‥。

ある程度離れるとそいつは止まって『肺が〜、足が〜』状態のあたしをニヤニヤ笑いながら見てる‥。
‥結局、形勢は元通りになってしまうわけで‥。

死にそうな思いで追いついたあたしはその場にへたりこんでしまう。
そいつは荒い呼吸を繰り返すあたしに近付いてニコッと笑って一言。

「大丈夫ですか?」

ってバカーー! この弱虫ーー! 意気地無しーー! その笑顔かわいすぎるぞーー!
って叫んでやりたいけど、体はそれより生命維持の方を優先してしまう。

「マジで大丈夫かよ」
さっきと声色が違う。だいぶ落ち着いてきたから顔を上げてみる。


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