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淫魔戦記 未緒&直人
【ファンタジー 官能小説】

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淫魔戦記 未緒&直人 2 〜覚醒〜-3

『気持ちいいのは好きだけど、責任を取れと言われるのはまっぴら』
俊樹はこれをモットーとしているので、セックスする時は常に自分が所持しているコンドーム装着の上で外出しをしていた。
ところが、である。
体を拭くのもそこそこにベッドの上で未緒にかぶりつくと、そのモットーはどこかへ跡形もなく吹き飛んでしまった。
未緒を孕ませてみたい。
そんな邪悪な欲望がむくむくと頭をもたげ、それしか考えられないのである。
だが、そんな事をしたら……。
それらが未緒の発する体の匂いによって思考を狂わされているせいだと気付いていたら、俊樹はどんな気分に陥っただろうか。
「ど……どうしたの?」
挿入直前で葛藤に苦しんでいる俊樹に焦らされ、未緒は怪訝そうに尋ねた。
「なあ……」
欲求に負けて、俊樹は頼む事にする。
「生じゃ、駄目か?」
「え?」
「できる事なら、中出しもしたいんだけど」
「あ……ああ」
得心がいった未緒は、そんな声を上げた。
直人とする時は常に生で中出しをしているからつい忘れているが、世間一般の女性は避妊をしなければたいていの場合は後悔する羽目になるのだ。
自在に妊娠のコントロールをできるため未緒がそういうものとは無縁である事を知らない俊樹は、葛藤に悩まされたのだろう。
「いいわよ。中に、たっぷり出して」
その囁きが、俊樹の理性を微塵も残さずに吹き飛ばした。
「いいな!?いいんだな!?お前のま〇こをぐちゃぐちゃのぬちゃぬちゃのザーメンまみれにしてやるからな!!」
吠えるように叫びながら、俊樹は未緒の中へ乱暴に肉棒を沈めた。
「あっ!う、く……」
蜜壺が、乱暴な侵入者から快楽を搾り取るべく動き始める。
体は未成熟でも魂は百戦練磨の直人でさえ、初めて抱いた時には実は一分ともたなかった未緒の秘裂だ。
俊樹はすぐにイッてしまった。
「……げ」
「あ……」
未緒は俊樹が自信を失う前にその腰に足を絡ませ、萎えかけた肉棒をぎゅうっと締め付ける。
「うっ」
俊樹は呻いたが、肉棹は萎えずに威容を維持したままだ。
「これで大丈夫……よね?」
未緒が首をかしげると、俊樹はうなずいて再び腰を使い始めた。
熱く柔らかく蕩けるように絡んで俊樹をしごくように飲み込みつつきつく締め上げてくる。
それなのに、抽送はごくスムーズだ。
二度目もそれほどしないうちに、俊樹は再びイッてしまう。
「な……なんか自信なくすなあ」
二度も射精するとさすがにやる気も失せたのか、俊樹は未緒から離れた。
「名器が自慢で自分がイクより先に相手がイッちゃうって不満のある女をきっちりイカせた事もある俺が、あんたがイク前に二度も漏らしちまうなんて」
「き……気にしない方が……」
落ち込みそうな俊樹に、慌てて未緒はそう言った。
下手な慰めはトラウマになりそうなので、気の利いた事が言えない。
だが、俊樹は立ち直りが早かった。
「よし。決めた」
「な、何を?」
「修行をし直して、リベンジする。その時は当然、付き合ってくれるよな?」


裏門から学校に入ると、俊樹は未緒を引き寄せた。
未緒の事をもっと知りたいと思った俊樹はホテルを出てからデートに誘ったが、丁重に断わられたので代わりに学校までエスコートしてきたのだった。
「俺は、あんたが気に入った。何かあったら力になりたい」
「……ありがと」
「連絡先を教えとくよ」
俊樹は未緒の持つ鞄から携帯を抜き取ると、すばやく電話番号を入力した。
「俺の携帯番号。リベンジは算段がついたら直接言うよ。それじゃあな」
別れを告げた俊樹は未緒から離れながら、ぺろんとお尻を撫でていく。
「きゃあっ!」
派手な悲鳴を上げた未緒に対してひらひらと手を振りながら、俊樹は行ってしまった。
……裏門の外へ。
「ん、もう……!」
未緒は唇を尖らせたが、すぐにやめて歩き出す。
朝から変なところで時間を潰してしまったのだから、早く教室に行かないとお目玉を食ってしまう。
−未緒は、うっかりしていた。
ただ楽しむためならば誰でもいいが、『力の抑制』には呪術の心得がある男性の協力が必須であるという事を、この時は大ボケして忘れていたのだ。
心得のある男性に背中を見せていればこっそりと形成されかかっている蝙蝠の羽根に気が付いて、きちんとした対策も取れたのに。


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