淫魔戦記 未緒&直人 2-18
「はふ、あ、ん……!」
直人の肉棒をきつく締め上げながら、未緒はキスに応える。
「未緒……」
キスの合間に囁く声が、未緒の性感を刺激した。
「なっ……直、人……」
積極的に唇を重ねながら、未緒は絶頂後の背筋がぞくぞくする快感を味わっていた。
「中がきゅうきゅう締まってる……」
皆まで言わせず未緒は直人を見上げ、キスする。
「ん」
直人は舌を差し入れながら、横目で隣の二人を見た。護が綾女の乳房を愛撫している。
小さめな分堅く締まっていて、仰向けでも形が崩れていない。
未緒のものよりも濃い色合いの乳首は白絹のような肌の中では一際目立つせいか、護は舐めてしゃぶってつまんで揉んで転がしてと忙しく体を動かしている。
「は……ああ……ん、ふ……」
かすかな声を上げて身をよじる綾女を見て、直人は目を細めた。
「未緒」
呼ばれた未緒は閉じていた目を開き、直人を見上げた。
「?」
首をかしげて次の言葉を待つ未緒の可愛らしさに、直人はついキスをしてしまう。
「……ごめん。力をアテにする気はなかったのに、結局使わせちゃったな」
「わ……私こそ!」
未緒は目を伏せた。
「あんな場面になっても使わなかったから……あなたにも綾女さんにも、苦しい思いをさせてしまって」
「未緒……ごめん」
またキスをしていると、隣で高い声が上がった。
未緒が驚いて目線をそちらにやると、護に貫かれた綾女が髪を振り乱して悶えている。
「っく、綾女っ……」
「やっ!そ、そこっ!あ、擦って!上、いいっ!」
ぢゅぷぢゅぷぢゅぷっ!ずぬゅっ!
耳に届く二人の結合部の恥ずかしい音に、未緒は頬を染めて直人にしがみついた。
抱いてやりながら、直人も二人の様子を伺う。
二人の交わりは、早くも終盤に差し掛かっていた。
「あっ、ああっ……っく、イク!イキ、そ……あーっ!」
一際高い声で綾女が叫ぶと、護は激しく腰を動かしてから肉棒を抜き取った。
びゅびゅっ!
勢い良く、白濁液が綾女のお腹の上に飛び散る。
「あ、り……まも、る……」
呟く綾女の唇に、護のそれがかぶさる。
二人の行為が一段落したところで、未緒と直人は再び向き合った。
「直人様……」
「……さっきみたいに、呼び捨てしてよ」
「え?」
「キスしてる時、ちゃんと『直人』って呼んだ。僕の事を好きだと言うなら、敬語をやめて呼び捨てにしてほしい」
直人の瞳に見つめられ、未緒は見つめ返す。
「…………なお、と」
だいぶ遠慮した声だったが、未緒はちゃんとそう呼んだ。
「私……年上だし、半分人間じゃないけど……でも、あなたが好きよ」
「……うん」
翌朝。
身支度を済ませた四人は、二手に分かれて屋敷から学校へ登校していた。
破けてしまった未緒の制服は管理人夫婦が一晩かけて新しいものを仕立ててくれていたので、遠慮なくそれを着ている。
「……一つ、聞きたい事があるの」
隣にいる直人にしか聞こえないような声で、未緒は尋ねた。
「直人……は、もしかして、綾女さんが好きだったの?」
直人は前方に視線を走らせて先を歩く二人の様子を伺うと、ややあってからかすかにうなずいた。
「−好きと言うよりも、少々気にかけていたという程度だけど」
「やっぱり……」
その呟きが引っ掛かって、直人は問い返した。
「どうして……分かった?」
「屋敷に来る前……綾女さんにそんな風な事を匂わせていたから」
「……それか。失敗したな」
「……直人」
未緒は恋人の目を覗き込んだ。
「……私で……よかったの?」
「馬鹿」
直人は未緒を小突いた。
「好きだと思わなかったら告白しないし、力の抑制だって一年の間に誰かに任せるようにしてたよ」
「……え?」
「好きな女を他人に抱かせるなんて真似、僕はできない」
それだけ言うと、直人は足早に歩いていった。
「……ま」
ゆっくりと、未緒の口元がほころんだ。
足を早めて直人に追い付くと、耳元に囁く。
「大好きよ、直人」